世界中で猛威を振るっているSARS-cov-2(新型コロナウイルス)。
日本においても緊急事態宣言が出た時点よりも感染者の数は増えています。
そんな中で、海外の国では日本よりも深刻な事態に陥っています。
今回は、世界各国の状況を現時点で見て、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)について考えてみます。
【日本の感染被害状況】
8月3日の時点で日本国内の感染者は38,072人、死亡者数は1,011人です。
この数字を頭に入れて以下の記事を読んでいってください。
【世界中の新型コロナウイルス感染状況とさまざまな取り組み】
7月末のたった1週間で世界の感染者(新型コロナウイルス)は180万人増え、感染合計者は1,700万人を超えました。
《世界の死者状況》
世界で感染者が最も多いアメリカは、この1週間で死者が7,000人以上増え、死者の合計は15万人を超えました。
南米のブラジルも今週、死者が7,000人以上増え、死者の合計は9万人を超えました。
メキシコの死者の合計は、4万5000人に達しました。
イギリスの死者の合計は、4万5000人を超えました。
イタリアの死者の合計は、3万5000人を超えました。
など。
《アメリカ合衆国》
アメリカの状況はとても深刻です。
アメリカ合衆国の感染者は4,500万人と世界で最も多い感染被害が出ています。
フロリダ州では感染者が急増しています。
特に17歳未満の子どもや若者たち8,000人に陽性反応が出ています。
アメリカでは一日の死者が1,000人を上回っています。
この1週間、30の州で、死者が30%増となっています。
街では犬の散歩をしていた高齢の女性が、男性がマスクを着用していなかったことに腹を立て、催涙スプレーをかける出来事が起きています。
この女性は逮捕されなかったと言います。
大リーグでは、マーリンズの選手(11人)とコーチ(2人)に陽性反応が出たため、試合が中止(ヤンキース戦)されました。
ニューヨークのある病院では患者の75%が感染者です。
看護師は「もう限界だ」と悲鳴をあげています。
大統領補佐官のオブライエン補佐官にも陽性反応がでました。
トランプ大統領は大丈夫でしょうか?
感染が拡大する21州をレッドゾーンと呼び、より厳しい活動規制を求めています。
そんななかでもカリフォルニア州のビーチでは教会の大規模なイベントが開かれ、ニューヨーク州ではチャリティーコンサートが開かれています。
ヒューストンにあるユナイテッドメモリアル病院の医師はこう言っています。
「二つの戦争を戦っているように感じる。“ウイルス”と“愚かさ”との戦いです」と。
この女性医師は、マスクをつけず、人との距離を取らない人たちを街頭で見かけ、いら立つ思いになると述べています。
この病院の男性医師は「懸命に最善を尽くして多くの人たちの命を救おうとしているのに、“しないで”とお願いしている行動をとっているんです」と悲痛な胸の内を明かしています。
《ブラジル》
ブラジルは感染者数、死亡者が世界で2番目に多い国です。
ブラジルの感染者は250万人、死者はおよそ9万人にのぼります。
ブラジルでは、美術館やギャラリーの閉鎖が続いていますが、そんな中、車に乗ったままで鑑賞できる美術館がオープンしました。
ブラジルでの新型コロナウイルス感染が発生したのは海外に出かけた富裕層からでした。
なので、ブラジルではCOVID-19を「金持ち病」と呼んでいました。
当初は、富裕層が住む地域で感染が広がっていたのです。
ですが、メイドをしていた人に感染し、やがて貧しい人の暮らす地域にも感染が広がっていきました。
ブラジルのファベーラという山の斜面に密集して建てられた住居では、貧しい人たちが暮らしています。
ファベーラに住む人たちは感染防止対策を取りたくても取れない事情があります。
手を洗いたくても水道がないのです。
住居は隣の家と密接にくっついています。
下水道が整備されておらず、汚物が道路に溢れています。
仕事を失った人も多く、マスクさえ持っていない人もいます。
ファベーラの人たちはブラジル政府から見捨てられた、と主張しています。
《メキシコ》
メキシコではおよそ4万5000人の死者が出ています。
《イギリス》
イギリスはスペインからの入国者を制限する措置を取りました。
また、スペインからの帰国者を隔離する措置を取ることにしました。
《スペイン》
スペインは一日に1,800人の感染者が出ています。
ですが、政府は「スペインは安全な国である」と主張して観光客を安心させようとしています。
イギリスがスペインからの入国者を制限する措置を取りましたが、これはスペインにとっては大打撃となります。
イギリスからの観光客がスペインに来なくなるからです。
《コロンビア》
中南米のコロンビアでも感染が拡大しています。
感染拡大を防ぐため大統領は外出制限を8月31日まで延長する決定を下しました。
コロンビアでは、すでに4ヶ月隔離状態にあり、一部の生産活動が再開されたとはいえ、経済活動は死滅寸前で、個人の家計は外出制限に耐えることが出来ないひっ迫したものとなっています。
《インド》
インドでは北部と東部で感染被害が拡大しています。
インドでは医療体制の不備が露呈している病院もあります。
《ドイツ》
ドイツでは野菜農家の農場で174人の集団感染が発生しています。
政府は農場を封鎖し、500人が隔離されてしまいました。
この農場での集団感染の背景には、東ヨーロッパからの季節労働者(出稼ぎ労働者)がコンテナ内で居住していたことが影響していると思われています。
要するに狭いコンテナに作られた狭い部屋に押し込まれるようにして生活していたことで、集団感染が起きてしまったのです。
州政府は、この農場が規定の感染防止基準を守っていなかったと発表しています。
《スイス》
スイスのジュネーブ州では、7月28日から商店でのマスク着用が義務付けられました。
《ベトナム》
ベトナムは観光地のダナンを封鎖しました。
新型コロナウイルス感染者が4人出たのが理由です。
ダナン空港には多くの観光客が殺到して、空港内が密集状態となってしまいました。
(国内観光客)
ダナンが封鎖されたため、観光客が帰路に就こうと一斉に空港に押し寄せたからです。
《韓国》
韓国ではキャンプ場で集団感染が発生しました。
これによってウイルス感染が「野外なら安全だろう」という考えが覆されてしまいました。
キャンプを楽しんでいた6家族18人のうち、3家族6人が新型コロナウイルスに感染してしまいました。
これまでキャンプ場のような野外活動は安全だと考えられてきました。
バーベキューに使う道具も別、宿泊する場所も別、社会的距離を確保するのが容易な野外活動だからです。
韓国のキャンプ場で感染が発生したことで、キャンプやバーベキューなどの野外活動は安全だ、という考えは崩れました。
《フランス》
フランス北部の町では変わったコンサートが開かれました。
それは18世紀に建てられた古城の中にある湖の上に舟を浮かべてステージとするコンサートです。
湖に浮かんだ舟の上でピアノの伴奏で歌います。
聴衆はマスク着用とソーシャルディスタンスを守って演奏に耳を傾けます。
(参考情報は「ワールドニュース」などより)
【世界中で起きている危機意識のゆるみ】
《外出制限解除で気が緩んでしまった?》
フランスのパリでは無許可イベントが開かれています。
外出制限が解除されてから若者たちによるパーティーが連日開かれているのです。
60人が集まった誕生日パーティーでは、密集、密接、マスクは付けない、ハグはしっ放し、上半身裸の人までいるのです。
これらのイベントは違法行為なので主催者は1500ユーロの罰金の支払いを命じられ、機材が没収される可能性が出ています。
このようなイベントがパリ地方で開催され毎回警察が介入していますが、毎週無許可のパーティーが開催されているのです。
こうした違法パーティーの開催は口コミで広がります。
集合の場所は開催時間ギリギリにショートメールで知らされます。
こうした無許可のイベントを開催しているのは主に学生たちです。
ある無許可イベントを開催した主催者の若者はインタビューにこう答えています。
「僕たちはコロナなんかいないと嘘ぶいたりしません。感染したくない人のためにあらゆる防止策を準備しますが、どうでもいいという人は大人なんですから自分で考えるべきです」
この若者(主催者)に対してアチキが言う。
「あんたは大人なのにきちんと考えていないようだな。あんたが言っているのは結局責任を他人に押し付ける卑怯な発想でしかないだろう!」と。
スペインのカタルーニャ州では感染防止策が徹底しています。
ですが、若者たちは海岸に集まっています。
これに対してカタルーニャ州のトーラ首相はこう呼びかけています。
「酒盛りはパーティーではなく身勝手な行動です。新規感染者の多くはあなたたちと同じ若者であることを考えてください」
《WHOの警告》
WHOは若者に向けて「若者は無敵ではない」と感染防止をするように警告を発しました。
WHOテドロス事務局長は、「北半球の一部の国での感染が急増している理由は、夏休みに若者たちが気を緩めたことが原因」と述べました。
《自粛生活によって変化が起きた》
外出制限によって一日中自宅にいることで人々の心境に変化が見られるようになっています。
それは一日中自宅で過ごすことで、
「アクセサリーをつけなくなった女性が増えた」
「外出するときに、以前よりラフな服装で外出する人が増えた」
「ハイヒールを履く人が減って、ラフなスニーカーを履いて外出する人が増えた」
「外出制限中から女性がブラジャーをつけなくなった人が増え、解除後の外出時にもつけない人が増えた」
外出制限中に、人々は、のんびり過ごす喜びを知り、プレッシャーから解放されたのです。
要するに、人々は「快適さ」を求めるようになったのです。
自粛生活で誰にも見られないことで服装などに気を使わない生活を経験したこと。
同時に精神的には外に出られない鬱憤を抱えた生活を強いられてきたこと。
これらの反動が出たということです。
こうした変化によってスーツが売れなくなるという事態が起きています。
人々は「堅苦しさ」「窮屈さ」を味わいたくない、と思うように変化したのです。
反対に「おしゃれなマスク」が売れ筋商品となっています。
マスク着用を単なる感染防止という意味だけでなく、「おしゃれ」「自己主張」「服装とのコーディネート」を考える人が増えているのです。
これからは「マスクでおしゃれ合戦をする時代」になるようです。
世界中でロックダウンや外出制限が出されたことで服装以外にも人々の生活に変化が起きています。
それは若者たちのネット利用が増えた。
そしてその大半がオンラインゲーム。
外出自粛により、一日の利用時間が75%も増加したと発表している国もあります。
これは単に変化とだけ受け止めていい問題ではなく、「中毒」を起こしている若者が増加していることは社会的に見過ごすことはできないものです。
自粛生活によって、ネット依存、スマホ依存、ゲーム依存が加速してしまったのです。
当然ながらSNS利用も増加しています。
これはテレビ業界にとっては大打撃となります。
ですから、日本のテレビ局は、Twitterのトレンド情報を発信したり、SNSを利用(取り込む)する作戦に出ざるを得なくなっています。
テレビ局はSNSと同居することでしか生き残りを計れなくなっているのです。
しかし、将来的には懸念させることがあります。
ネット配信される質と量を備えた番組が制作・配信される企業の力が大きくなると、もはやテレビ局は過ぎ去った業界となってしまうことが予想されます。
ビジネスをしている人は、こうした人々の変化を見落とさずにビジネスチャンスとして捉えるべきでしょう。
【世界は二分されつつある】
《世界共通の行動》
新型コロナウイルス感染症に関することは世界で共通しています。
それは、
「感染者数が減ってきたり、政府や自治体の制限が解除されると、気が緩む」
「若者たちの多くに危機意識が希薄であり、感染防止をしないで行動している」
(もちろん危機意識を持ち、防止対策をしている若者もいる)
「感染被害は押しては退く波のように感染の拡大と収縮を繰り返す」
「どの国も感染を防ぐ有効な対策を立てることが出来ずに、被害は拡大している」
「大半の国では、富裕層は十分な医療を受けられるが、貧しい人の多くが満足な治療を受けられずにいる」

《二分されつつある世界》
COVID-19(新型コロナウイルス)に関するさまざまな世界の出来事を見ていくと、人々が二分されていってしまうのではないか、という危惧を抱かざるを得ません。
総中間層と呼ばれ、富裕層と貧困層の差が世界に比べて開いていない日本ではあまり感じられませんが、世界中には富裕層と貧困層がかけ離れている国が多くあります。
そうした国々では、貧困層の人たちが強い不安感、不平等感、怒りなどの負の感情を抱えています。
その怒りや恐怖心が政府または富裕層の人たちに向かっています。
十分な治療を受けられる富裕層と十分な治療を受けられない貧困層の二分。
日本においてもありますが、感染していない人が感染した人を差別し、排除しようとしています。
感染していない人と感染した人の二分。
COVID-19(新型コロナウイルス)によって倒産した企業も出ています。
また、長引く感染被害によって今後倒産する企業はもっと増えると予想されます。
倒産を免れたとしても減収、赤字になった企業が多くあります。
ですが、逆に業績を伸ばした企業、それほど収益が落ちずに以前同様の経済活動をしている企業もあります。
医療器具や医療用、薬品事業者などは逆に業績を伸ばすことでしょう。
企業の経済活動における二分。
また、個人における経済活動でも失業する人、給料が減った人もいれば、以前同様の給料(収入)を維持している人たちもいます。
収入が落ちない人たちの代表的な職業が公務員でしょう。
その差はCOVID-19(新型コロナウイルス)によって広がってしまいました。
個人収入の差が広がる二分。
「医療用マスクを着用している人とオシャレマスクを着用している人」に二分される。
(これは冗談です!本気にしないでください!)
そして、今後起こりうるのが「ワクチンと特効薬」を自国で開発した国と開発できない国家の二分です。
ワクチンを開発した国や他国企業から買い付けできる国はまだましですが、それでも国家が主導して開発されたワクチンは、まず自国の国民に使用されるのは当然です。
他国に渡すワクチンは、そのあまりということになります。
ワクチンを開発した国家とワクチンを持たざる国家の二分。
世界は新型コロナウイルスによって、「恐怖」「不満」「不平等」「怒り」などを生み出す要因となっています。
そうしたことが集団単位、民族単位となると「抗議活動」や「紛争」となり、それが国家単位になると「戦争」となります。
いま世界正義が失われつつあります。
どの国も自国のことだけで手いっぱいです。
他国のことを考えることができません。
こうした考えが地球上に蔓延することは怖いことです。
なぜなら、自国の民を守るために他国への侵略行為が起きる可能性が高まるからです。
もちろん、国際倫理を守る国家が大半でしょうが、なかにはこうした地球規模の混乱のなかから他国を迫害したり、領土を侵略したりする国家が出てくるのが歴史上の事実です。
新型コロナウイルスとは、単なる世界的なパンデミックを引き起こしているだけではなく、地球規模の混乱を生んでいる要因となっているのです。
【ご意見番から見た新型コロナウイルス感染症とは?】
世界中で感染を拡大させ、死者を次から次へと出し続けて衰えをみせない新型コロナウイルス(SARS-cov-2)。
アチキがジッと毎日、日本のニュースと世界の被害状況を見ていて思うことがあります。
それは、
「新型コロナウイルスは人類を淘汰しているように見える」
ということです。
いま起きている地球規模のパンデミックからのメッセージがあるように思えるのです。
それは、
現代科学、特に医学の限界をまざまざと見せつけた。
人類が手にしてきた科学技術、医学が通用しない存在があると気づかされた。
「未知なるもの」「目に見えないもの」が存在するということを同時に教えている。
つまり、「人類よ傲慢になるな。人間の力を超えたものが存在することに気がつけ」と言われているような気がするのです。
簡単に言うとこれらから導きだされるものは、「科学万能主義への警告」でしょう。
また、人類に選択を迫っているようにも思えます。
それは「利己主義と利他主義のどちらを選ぶのか?」という選択です。
自分のみ良かれと思って行動するのか、他人のことを自分のこととして考えて行動するのか、ということを試されているようにも思えるのです。
新型コロナウイルスの感染を防ぐには、人と人とが距離を取ってコミュニケーションを取らねばなりません。
つまり、人類が築き上げてきた文化や習慣である人と人との密接なコミュニケーションが否定されてしまったのです。
感染しないためには、人と人とが距離を取らねばならず、出来るだけ外出をしないようにしなければならず、極力直接あうことを避けなければならない。

人間は人間を必要としますが、その人と人との絆を断ち切ろうとする力が働いているように思えます。
さらに選択にかんする重要な問題があります。
日本ではそこまで言っていませんが、海外の国々では、医療現場がひっ迫し、医療器具が不足し、「誰を死なせるか、誰を援けるか」という選択が迫られつつあります。
人工呼吸器が不足し、重症患者が医療の限界を越えてしまった場合、どの患者に医療資源(器具や医師など)を割り当てるか、という選択をしなければなりません。
実際、感染が急激に拡大している国のなかでは、新型コロナウイルス感染の疑いがあっても、治療を受けられず放置されてしまっている人たちがでています。
そして、なんの治療も受けられず命を落としている人が多くいます。
さらに、遺体が数日間放置されるなどの扱いを受けていることも起きています。
難しい選択はまだあります。
感染対策を重視して感染による死者を無くす対策を優先するのか、経済を再開させて倒産、失業などによる自殺者を減らすことを優先するのか、という選択が迫られています。
いずれも究極の選択と呼べるものです。
矛盾したものであり、本来選択できるものではありません。
こうした人類が経験したことのない未曾有の危機にいまあるのだということです。
感染対策と経済活動に関する詳しいことは、今回の記事では割愛しますが、ご意見番としての考えは、「矛盾する二つを同時並行して行わなければならない」です。

いま、地球規模の文化や人類にとって当然としてきた多くを否定されているのです。
二分されつつあるという話をしましたが、いま世界中で「感染に注意を払わず、自分のしたいことをしようとする人たち」と「感染被害を少しでも無くそうと感染対策を真面目に守っている人たち」の二分化が起きているように見えます。
もちろん、ほとんどの人が感染を怖いものと捉えていますから、きちんと感染対策をしている人の方が多いでしょう。
ですが、まったく「我関さず」と行動している人たちがいることも事実です。
パンデミックが長引けば、この相反する行動を取っている人たちの間に憎しみが広がり、対立が強くなることが危惧されます。
もし、パンデミックが人類を淘汰しているものであるならば、利己主義の人類がいる限り、淘汰の力はなくならないように思えます。
ご意見番の意見としては、
「人知を超えたものが存在する」
「科学は万能ではない。むしろ人間のもつ力など大自然から見れば小さなものにしか過ぎない」
「さまざまな違いを乗り越えて、人類が理解し、手を結び協力しあうことが大切」
と思うのです。
最後までお読みいただき、ありがとうござりんした!