【止まない誹謗中傷】
先日の記事でも書きましたが、松任谷由実さんに「死んだ方がいい」という誹謗中傷がFacebookに投稿されました。(京都精華大学専任講師による)
いま、ネット上の誹謗中傷によって、心を傷つけられている人たちがたくさんいます。
なぜ、ネット上の誹謗中傷は止まないのか?
なぜ、ネット上の誹謗中傷がなくならないのか?
アチキは最近、こんな誹謗中傷があったことを知りました。
新型コロナウイルスに感染したある高校生がTwitterで自分の体験したことを発信したところ、誹謗中傷にあってしまったのです。
高校生の投稿
「頭痛がひどく、だるいのに寝られない」
すると、こんな誹謗中傷が・・・。
「感染は自業自得。かかる方が悪い」
「死ねばいい」
この高校生は、ネット上の誹謗中傷をそれまで他人事のように考えていたのですが、いざ自分が体験してみると、「こんなに身近に起こりうるんだ」と思い、すごく落ち込んでしまったといいます。
この高校生は、誹謗中傷のコメントに対して反論しますが、そうすると誹謗中傷はさらにエスカレートして、匿名のアカウントから1日数十件の誹謗中傷が書き込まれてしまいました。
なかには事実無根の書き込みまであったのです。
その結果、深く傷つき学校にも行けなくなってしまったのです。
この高校生の母親は、息子を守るために裁判を起こすことを決意したのです。
【誹謗中傷を生み出す環境的要因】
誹謗中傷を無くすことは出来るのでしょうか?
そもそも誹謗中傷が起きる理由は、何でしょうか?
指先ひとつで簡単に「自分の気持ち、発言を発信できる」ことが関係していることは間違いありません。
また、ネットの特性として、社会的知性を身につけた大人や人生経験を積んだことが一切関係ない「瞬時に世界の誰とでも繋がれる」というネット環境があります。
つまり、スマホひとつあれば、未成年であろうと、世界中の人と繋がり合うことができる。
ネットという現実世界とは別世界のような世界に、たった一人で飛びまわることができるのが「ネット」なのです。
つまり、世界中にいる見ず知らずの誰かに向けて自分の意見、気持ち、発言を発信することができて、さらに繋がりを持つことができる、というネットの特性が誹謗中傷に大きく影響していることは間違いないでしょう。
【誹謗中傷はなぜ起きるのか?】
《誹謗中傷はなぜ起きるのか?》
人間が他人を馬騰し、人格を否定し、攻撃する理由は、人間の持つ煩悩が原因です。
その煩悩とは、「憎しみ」「怒り」「恨み」「嫉妬」「嫌悪」などの人間が持つマイナスの感情が元になっています。
これらの煩悩を人類すべてからいますぐに無くすことはほぼ不可能です。
たとえ、言葉を声に発しなくても、人を傷つける言葉を投稿しなくても、その人の心の中の「憎悪」や「恨み」などがなくなるわけではないからです。
誹謗中傷に関する法律も今後整備されていくでしょう。
ですが、いくら法の整備が整っても人間の世界における悪事が完全に無くなるわけではないのです。
悲しいことですが・・・。
これは、たとえて言えば、殺人罪や強盗罪などの刑法が存在するのに、殺人事件や盗難事件などが人間の世界からなくならいのと同じです。
悪事を罰する法律だけでは、ダメなのです。
また、誹謗中傷がなくなるのなら、「イジメ」もなくなるでしょう。
イジメが無くなるならば、誹謗中傷も世の中から消えていくでしょう。
みなさんは、世の中から、人間世界から「イジメ」が消えると思いますか?
「イジメ」は「差別」と密接に関係しています。
「差別」は「人間の違い」から派生してきます。
人間に個性が無くなること、違いがなくなる世界が現れたとしたら、果たして人類は幸福でしょうか?
個性の違いは「自由の発露」であり、自由があることが個人の幸福に大きく影響しているのです。
ネット上の誹謗中傷という表面から、その最深部まで見て行くと、人類がその歴史とともに抱えてきた問題にぶち当たるのです。
《誹謗中傷はなくすことができるのか?》
ネット上の誹謗中傷は、人間存在と深くかかわっているので、ネット上の誹謗中傷だけ完全になくすことは至難の業と言えるでしょう。
ネット上の誹謗中傷がなくなる世界とは、「イジメ」「殺人」「窃盗」「詐欺」などの悪事がすべてなくなる世界をほぼ意味しているのです。
ですが、人間は過ちを犯し、他人を傷つけ、悪事を犯す存在でありますが、一方では他人のために尽くす、慈悲の気持ちを持って誰かを援ける、そうしたことが出来るのも人間です。
誹謗中傷を完全に無くすことが出来ないから、何もしないのでは人類の進化や幸福を自ら放棄すことになってしまいます。
誹謗中傷を無くすことは至難の業だからこそ、みんなで解決しなければならないと思うのではないでしょうか。
【誹謗中傷を無くすために必要なこととは?】
《誹謗中傷にあいにくい人は》
誹謗中傷にあいにくい人はいるのか?
それはネット上で一切なんの活動もしない人、またはまったく存在感のない人でしょう。
それは現時点の社会からすると、考えられない存在、非常に稀な存在となるでしょう。
誹謗中傷を受ける宿命と言えるのは、芸能人、著名人、政治家などでしょう。
芸能人などは、常に誹謗中傷にさらされているといって過言ではありません。
では、誹謗中傷にあいにくいタイプがあるのかというと、ある程度あると言えるでしょう。
それは「誹謗中傷に毅然とした態度で反撃する人」です。
ネット上に誹謗中傷する行為は、現実世界のイジメと同じ構図が成り立っています。
あなたはヤクザが街中でゴミを捨てるのを見て、注意することができますか?
プロレスラーのような体格をしている人の顔が気に入らないからと言って、大声で文句を言えますか?
そうです、イジメと同じようにネット上の誹謗中傷も「弱いもの」を狙ってくるのです。
ですから、半沢直樹のように「やられたらやり返す」「倍返しだ」という人間はネット上の誹謗中傷に比較的遭いにくいという構図があります。
ネット上で誹謗中傷する人間に共通することとして、「暴言」「罵詈雑言」などを言いっ放しにする、という特徴があります。
つまり、相手が正当な理由や知性的な反論をしてくると、相手も知性を総動員し、時間を割いて戦わなければならなくなるので、誹謗中傷もやがてフェードアウトしていくのです。
決定的なのは、「法的手段」に訴える人でしょう。
そこまでの行動を取った人からは誹謗中傷の波がサッーと引いていきます。
結局、ネット上の誹謗中傷にあいにくい人、被害が少なくて済む人のタイプは「半沢直樹」のような戦う人なのです。
《誹謗中傷にあいやすい人は》
ですが、人類皆半沢直樹とはいきません。
気の弱い人、戦うことが嫌いな人がいるのが現実です。
また、あまりにも大人数から誹謗中傷されて戦える状況でないこともあります。
要するに、徹底的に反論できない、誹謗中傷と戦えない人は誹謗中傷のブラックホールに飲み込まれてしまう可能性が高くなるのです。
そうした状況のとき、誰かに助けを求められなくて孤立してしまうと、苦しみは倍加してしまいます。
孤独は常に「死」の側にあります。
誹謗中傷されて個人では戦えない人は、いったいどうしたらいいのでしょうか?
【誹謗中傷を無くすための方法】
先に書いたように世の中から誹謗中傷の原因を無くすことはとても難しいことです。
ですが、誹謗中傷を極めて少なくすることは出来ると思うのでありんす。
そのためにご意見番が考えた方法は、次のとおりでありんす。
最も効果のあると思われる順から提言します。
《第三者が誹謗中傷している人物と戦う》
実際に悪質な誹謗中傷をネット上で行っているのは、ネット利用者全体のほんの一部であると言われています。
ですから、真面目にネット利用している人の方が圧倒的に多数派なのです。
兵法に「10倍の敵と戦うな」というものがあります。
これを逆に利用すると、相手より10倍の勢力を持つことで勝利できる、ということになります。
ネット上の誹謗中傷を無くす一番効果がある方法がこの兵法です。
つまり、第三者が誹謗中傷されている人を見つけたら、被害者を援ける行動(ネット上の)を取ることです。
1人の誹謗中傷に対して、10人の第三者が被害者を守るために誹謗中傷加害者と戦えば、誹謗中傷加害者は誹謗中傷を続けられなくなります。
ただし、ミイラ取りがミイラとなってしまっては意味がありません。
誹謗中傷されている人を守るからといっても「死ね」とか「うざい」などの発言をしてしまうと、誹謗中傷加害者が新たに発生することになってしまいます。
ですから、知性的、理性的な発言をすることが求められます。
イジメでも同じですが、「無関心」「放置」こそ、誹謗中傷を増長させているのです。
誹謗中傷されている人がいることを知ったら、勇気をもって加害者と戦う人が出てくることが誹謗中傷がなくなる最大の方法です。
(ただし、注意点もありますし、大論争に発展するリスクもあります)
《第三者が誹謗中傷されている人を弁護し励ます》
誹謗中傷加害者と戦うことなどできない。
そんな勇気もない。
という方がいましたら、次の方法で誹謗中傷を無くす貢献ができます。
直接、誹謗中傷加害者と戦うのではなく、誹謗中傷されている人の弁護をすることです。
加害者と向き合うのではなく、被害者と向き合う、ということです。
弁護できなくても、被害者を慰めることは誰でもすぐにでも出来ることです。
誹謗中傷されている人は、自分の味方になってくれる人がいる、励ましてくれる人がいることを知ることでパワーが出てきます。
これは、マイナスを除こうとするのではなく、逆にプラスを打ち込む、ということです。
「励ましの言葉」
「応援の言葉」
で被害者が救われ、誹謗中傷が消えていきます。
誹謗中傷加害者は、第三者が介入し、被害者を守ろうとする人たちが多数派だと思った時点でフェードアウトしていきます。
《第三者が誹謗中傷されて傷ついている人に影ながらエールを送る》
誹謗中傷加害者と戦うこともできないし、被害者を守ることも励ますこともちょっと、という人が出来ることがあります。
それは「いいね!」などをしてあげることで間接的に被害者へエールを送ることです。
(SNSの種類による)
ボタン一つ押すことで、被害者を少しだけ勇気づけることができます。
ほんの小さな親切が誹謗中傷されている人を救うこと繋がるのです。
《誹謗中傷されている人がSOSを発信する》
いくつかの誹謗中傷を無くす方法を提示してきましたが、肝心要のことがあります。
それは、ネット上で誹謗中傷された場合、被害者がSOSを発信することです。
日本の文化は「恥の文化」と言われています。
誰かにSOSを出すなんて、みっともない、恥ずかしい、という心理が働いてしまうでしょう。
ですが、道端で通り魔に襲われたら、助けを呼ぶでしょう?
ネット上での事件も同じです。
誹謗中傷されてSOSを発信することは、恥ずかしいことでもなんでもありません。
また、SOSを発信する人をバカにしたり卑下したりすることがあってはなりません。
誹謗中傷にあった場合は、SNSを通して味方になってくれる人を見つけるのです。
兵法では、味方を増やし、敵を包囲して勝利します。
たった一人で匿名で誹謗中傷する人間と戦うには危険が伴います。
誹謗中傷されたらSOSを発して味方を増やし、誹謗中傷加害者と戦うことが大切です。
《他人を守ることが自分を守ることになる》
誹謗中傷は、いつ、誰の身に起きてもおかしくないことです。
他人事と思ってはいけないのです。
ネット上の誹謗中傷が長い間続くと、どんどん心が削られてしまいます。
ネット上の誹謗中傷も現実世界でのイジメも、「無関心」「他人事」ということが一番いけません。
「明日は我が身」と思って誹謗中傷されている人と戦う、誹謗中傷されている人を励ます、などを行うことによってネットの世界から誹謗中傷が減っていきます。
すると、いつの日か自分が誹謗中傷被害にあう未来を消し去ることができるのです。
現実世界のイジメは悪質で日陰で人に知られないように行われますが、ネット上に公開された投稿は誰でも知ることができます。
誰でも発言に参加することができます。
ですから、ネット上での誹謗中傷を減らすことは可能です。
それには、「無関心」「他人事」を捨てることがスタートです。
最後までお読みいただき、ありがとうござりんした!