【社会問題となっているパワハラ】
課長!「それパワハラですよ!」
なんて、世間では騒がれているパワーハラスメントでありんすな!
最近の世間は、セクハラ、パワハラ、マタハラ・・・、となんでもハラスメントにするでありんすな!
確かに問題であることは間違いないですが・・。
パワハラとは、
「労働者の就業意欲の低下や精神的な障害、離職率の上昇などを引き起こす行為」
とされています。
まぁ~上司というだけで一方的に理不尽なことを言われるのは人権侵害のこともあろう。だが、その反対に必要な教育・指導がそれによって行われない事態にもなりかねないことも危惧されねばならないと、アチキは思う。
時代が変わったということかな?
昭和の時代のビジネスマンはスリッパで頭を叩かれながら仕事に精をだしたもんだが・・・。
しかし、現代社会ではパワハラ対策をきちんとしていないと、企業イメージを失墜させてしまい、それが顧客の信用を失って業績悪化につながってしまうから、企業としてはしっかり対策を立てる必要はあるだろう。
また、不当な人間関係から労働者を守ることは大切だ。
パワハラの問題は様々な角度から語ることができる深い問題だが、今回は6月1日から施行が始まった「パワハラ防止法」の概要をお送りします。
【パワハラ防止法とは】
パワハラ防止法は通称、正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(略称:労働施策総合推進法)」
なんじゃ、その長ったらしい~名前は?
誰がそんな長くてわけのわからない名前を覚えるんだ?
これだから官僚たちのやることはダメなんだ。
難しい言葉を使えばいいってもんじゃねえんだよ。
もとに戻る!
このパワハラ防止法は2019年5月に成立した法律で、大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月からパワハラ防止策を講じることが義務づけられる法律です。
相談窓口の設置、社内規定の整備などを講じることが義務づけられます。
また、厚生労働省はパワハラ指針「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」も公表しています。
パワハラ防止法施行後は、パワハラをした人は民法の不法行為責任が問われるほか、刑事罰に処せられる可能性があるということです。
では根本的な問題である「パワハラとはなにか?」
『パワハラとは、立場的に優位に立つ者の言動の中で、業務上必要な範囲を超えたもの』
わかりずれ~!
【パワハラ防止法が立法された背景】
パワハラ防止法が成立した背景としては、パワハラに関する相談件数が増加したこと、マスコミが騒いだこと、があげられます。
2017年4月に公表された「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」では、従業員の悩みや不満を相談する窓口において、最も相談の多いものがパワーハラスメント(32.4%)でした。
つまり、対人関係に起因する職場環境の悪化が多発しており、職場環境の改善が強く求められる現状となっていることが背景にあります。
また、企業側には職場環境を良くする義務があるため、パワハラを含む各種ハラスメント防止の環境の整備と対策が求められているのです。
【なにがパワハラなのか?】
《パワハラの定義》
『パワハラとは、立場的に優位に立つ者の言動の中で、業務上必要な範囲を超えたもの』
職場におけるパワハラとは、以下の3つの要件をすべて満たすものと定義されます。
優越的な関係を背景とした言動
業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
労働者の就業環境が害されるもの(精神的・身体的苦痛を与える言動)
なんだか難しい言い方でありんすな~!
「優越的な関係を背景とした言動」とは?
言動を受ける者が行為者に対して抵抗・拒絶できない蓋然性(がいぜんせい)が高い関係を背景におこなわれるものを指します。
したがって上司から部下への言動だけとは限らず、同僚や部下による言動でもパワハラになり得ます。
つまり相手と自分の関係において、両者の立場の違いを自己に有利なように利用して、相手に対し不当な扱い(言動)をすることです。
同僚同士のパワハラや部下からのパワハラとは、例えばこういうことです。
部下が業務上必要な知識や経験を持っているので、部下の協力や仕事の指示をしてもそれを拒否したり、円滑に業務が進まないようにした場合、部下から上司へのパワハラ言動と見なされます。
営業成績が良い社員が、他の同僚社員に対して教育指導の名目で、営業成績の指導するときに仕事とは関係ない言動で精神的に傷つけたり、業務が進まないように嫌がらせをするなど。
〈ポイント〉
パワハラは、上司から部下に対してだけと限定されていません。
もしかしたら、多くの人が勘違いをしている可能性があります。
部下から上司へのパワハラ、同僚どうしのパワハラもあるということに注意が必要です。
つまり、立場を利用して相手を苦しめる、困らせる言動は地位に関係なくパワハラとなる、ということです。
「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」とは?
業務上明らかに必要とされない行為や業務目的を大きく逸脱した行為で、業務遂行の手段として不適切な行為のこと。
例えば、寝坊して出勤時刻に遅刻した部下に対して、出勤時間を守るための注意、指導を行うことは教育(指導)とされますが、その際に人格否定、育ってきた家庭環境などを誹謗するなどがあれば、パワハラとなります。
教育・指導の名目でも社会通念上許容される限度を超えていればパワハラとなる可能性があるということです。
これって、難しくね~?
「労働者の就業環境が害されるもの」とは?
労働者が能力を発揮するのに重大な妨げとなるような看過できない程度の支障を指します。
例えば、
就業意欲が低下する。
これは「会社に行きたくない」「会社を辞めたくなった」などです。
また、業務に専念できない。
業務と関係ないことを押し付けられて、本来やるべき仕事が出来ない、などです。
【パワハラ防止法に定められた義務】
パワハラ防止法に定められた義務とは?
パワハラ防止法は、パワーハラスメントの基準を法律で定めることで、具体的な防止措置を企業に義務化することを目的に作られました。
企業が行う義務とは?
企業の「職場におけるパワハラに関する方針」を明確化し、労働者への周知、啓発を行うこと。
労働者からの苦情を含む相談に応じ、適切な対策を講じるために必要な体制を整備すること。
職場におけるパワハラの相談を受けた場合、事実関係の迅速かつ正確な確認と適正な対処を行うこと。
他には、プライバシー保護のために必要な措置を講じること、パワハラの申告を理由に、労働者の解雇や不利益な取り扱いをしないこと。
などが企業に義務化されます。
【パワハラの6つの類型】
パワハラの類型は次の6つに分類されます。
身体的な攻撃
精神的な攻撃
人間関係からの切り離し
過大な要求
過小な要求
個への侵害
「身体的な攻撃」とは?
殴る、蹴る、髪をひっぱる、物で叩く、物を投げる、など。
つまり、暴行、傷害となる行為のこと。
「精神的な攻撃」とは?
精神的に傷つける言動のことです。
相手の人格を否定するような暴言を吐く。
侮辱的な言動。
業務の遂行に関する内容を、長時間にわたり必要以上に執拗に非難する(激しく叱責する)。
他の従業員の前で馬騰する、または威圧的な叱責を繰り返し行う。
本人以外の人間が見ることができるメールなどでの馬騰。
「人間関係からの切り離し」とは?
これは隔離する、または仲間外れにする、無視するなどです。
意に沿わない労働者を仕事から外し、長時間別室へ隔離する。
自宅待機や自宅研修を強制する。
集団で無視し、職場内で孤立させる。
他の従業員との接触や協力を禁止する。
職場の親睦会などに特定の労働者を呼ばない。
「過大な要求」とは?
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害など。
本来の業務に直接関係ない作業を長時間にわたり肉体的苦痛をともなう過酷な環境下で行わせる。
新卒者に対して教育のないまま過大なノルマを課す。
必要な研修などを行わないまま、対応できないレベルの仕事をさせ、完了できなかったことに対して厳しく叱責する。
業務と関係のない私的な雑用などを強制的に行わせる。
業務終了間際に大量の業務を押し付ける。
「過小な要求」とは?
能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないことです。
役職名に見合わない低い業務をさせる。
労働者を退職させる目的で、誰でもできうるような簡単な業務を行わせる。
気に入らない労働者に嫌がらせ目的で仕事を与えない。
「個の侵害」とは?
個人のプライベート(私的なこと)に過度に立ち入ることです。
職場以外での継続的な監視や私物の写真撮影。
個人の携帯電話をのぞき見る。
個人情報を本人の同意を得ずに他の労働者に暴露する。
家族や恋人のことなどを根掘り葉掘り聞く。
有給休暇の取得理由に口をはさみ理由次第で却下する。
【パワハラの対象範囲】
《職場の範囲》
職場とは「事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所」を指します。
したがって会社の事務所など毎日出勤するような場所でなくても、労働者が業務を遂行する場所であれば職場に含まれます。
また、時間の制限はないため、勤務時間以外に行われたものであっても、パワハラに該当します。
《労働者の範囲》
正社員に限らず、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員など雇用される労働者はすべてパワハラ防止法の適用を受けます。
派遣社員の場合、労働者と雇用契約を結ぶ派遣社員はもちろん、実際に労働者が働く派遣先についても同様の配慮、措置が求められます。
ただし、業務委託をする個人事業主やインターンシップの学生、求職者などは労働者の範囲に含まれません。
しかし、パワハラ防止法の趣旨に照らし、これらの人に対しても注意や配慮をすることが望ましいとされています。
【パワハラの罰則規定】
パワハラそのものに罰則規定が設けられているわけではありません。
はっ??
パワハラ行為があった場合、厚生労働大臣による助言・指導および勧告の対象となり、勧告に従わない場合は、企業名の公表もあります。
措置義務が定められている以上、従業員から「相談先がない」「相談しても何もしてくれなかった」などの通報があれば助言・指導・勧告の対象となります。
なお、パワハラが暴行罪や脅迫罪など刑法に規定された犯罪の成立要件を満たして有罪になった場合には、行為者には罰則が適用されます。
そんなことあたりめ~じゃね~か!!
(参考情報は、「労働問題弁護士ナビ」より)
【パワハラ防止法の問題点】
ぷっはぁ~!
ここまで出来るだけ私見を挟まずに、客観的な態度で正確な情報をお届けしてまいりましたが、もう我慢の限界でありんす!
ご意見番の意見を述べるでござりんす!
《最大の問題点は?》
2020年6月の施行時点で、罰則が設けられていないということです。
罰則無しの法律は意味がない。
罰則無しの法律は効力が薄い。
つまり、罰則無しの法律は、新型コロナウイルス感染症の自粛要請と同じです。
「みなさん自粛してください」というお願いとほぼ同じ効力しか発揮しません。
守る人は守るし、守らない人は守りません。
罰則無しの法律を作る意味が理解できません。
これはパワーハラスメントが世間やマスコミで騒がれ、労働組合などの組織が突き上げてくるので、法の整備をしたが、事の本質と本気の解決をしようとしたものではない、ということです。
要するに「パワハラ防止法」を作成しましたよ~と、選挙民に訴えることで票が逃げないようにした、ということです。
選挙対策の意味あいが存分に入りこんでいる、ということです。
それと行政上の処理能力の問題です。
罰則を設けてしまうと、その対処(対応)に行政組織が負われてしまい、処理能力を超えてしまうので、「それだけは勘弁してくれ~」ってことです。
罰則を設けないという法の立法は、パワーハラスメントが社会悪だから、なんとしてでも根絶させようとするものではありません。
要するに本気で解決しようとする立法ではない、ということです。
ものすごく無責任で中途半端な法の整備です。
日本の立法はこれが十八番(おはこ)です。
日本の政治家と官僚による、“猫だまし立法”です。
(十八番とは得意だという意味)
おぶしゃれざんすな!
と言いたい。
「厚生大臣が必要だと認めた場合、企業に対して助言や指導・勧告が行われることがあります」
??
厚生大臣が一日に処理できる指導はいくつだ?
お話にならね~な!
実際は大臣ではなく実務者で処理されるだろう。
厚生大臣の名前で指導・勧告するのは分かり切っている。
企業名を公表?
それでなにが変るのか?
根本的に間違いがある。
《パワハラ防止法の義務を企業に負わせたこと》
パワーハラスメントの問題は人類にとって実に根深くて、広い範囲の問題である。
それを“企業への義務”とだけすることに問題がある。
パワハラをする人は個人です。
もし、会社組織ぐるみで行われたとするならばそれこそ悪です。
ですが、パワハラはほぼ個人的な判断と行動においてなされるものです。
本来は、パワーハラスメントをしている個人への言動を規制するものであるはずであり、悪事をはたらく個人を罰するものでなければならない。
どうも日本社会は全体主義的発想が好きなようでありんす。
もちろん職場での人間関係を良くする、上司などからのいわれなき嫌がらせなどを防止することは労働者にとっては大切で必要なことだ。
だが、それは企業体が犯している罪ではなく個人が犯した罪であるはず。
だから、パワーハラスメントを行った個人への罰則を設けてこそ、本当に立法の趣旨、つまりいわれなき迫害から労働者を守れることになる。
それを考慮していない「パワハラ防止法」は愚法である。
《パワハラの定義に問題あり》
「職場におけるパワハラとは、3つの要件をすべて満たすものと定義」
これは問題だな!
「優越的な関係を背景とした言動」
「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」
「労働者の就業環境が害されるもの(精神的・身体的苦痛を与える言動)」
三つがすべて揃わないとパワハラと認定されない、ということは、なにを意味するのか?
それは実際にパワハラと認定されるケースが非常に少なくなる、ということを意味している。
これは3つすべてではなく、1つであっても適用しなければ意味がない。
(もちろんケースバイケースであり、程度の問題はある)
なんでもかんでもパワハラにしないようにという意味は理解できるが、実際はパワハラそのものが認定されにくいことにしかならない。
《業務委託先とインターンシップ、求職者が対象外になっている》
パワーハラスメントは上司から部下だけではない。
(部下から上司へのパワハラも多くある)
世間でパワハラの概念を当てはめて一番弱い立場の人は誰かというと、取引先の企業(業者)、就職希望者ではないか?
世間でまかり通っているパワハラは仕事を与える企業が下請けなどの業務委託する会社側に無理難題を押し付ける、下請けや業務委託している社員を見下し、横柄な態度をする。
また、就職を希望する求職者の弱い立場を利用してセクハラをする。
ではないか?
これは立場を利用して、弱い立場の人を苦しめる行為である。
世間でまかり通っているこの部分を抜きにするパワハラ防止法は“ザル法”である。
つまり、虫食いだらけの欠陥法である、ということだ。
《なぜ大企業と中小企業との施行を分けたのか?》
さらに法の施行を大企業と中小企業とで分けた理由はなんなのか?
説明してほしい。
これは行政側の処理の問題ではないか?
または、大企業で実施することが試験的意味合いを持つ。
あるいは、大企業優先の思考。
つまり、大企業は恵まれているんだ、という不平等、不公平な大企業をエコひいきする制度ではないか?
とアチキは思う。
パワハラ防止法が社会に必要なものであるなら、大企業と中小企業とで2年の実施期間の差をもうけることは意味がない。
日本の社会は中小企業で持っている。
ならば、先に実施させるのはむしろ中小企業ではないか?
《最後に》
パワハラの問題は実に根深い。
それは人間の根幹にかかわる問題だからだ。
罰則ありの防止法をもってしても根絶は難しいだろう。
ならば、パワハラをした個人が罰されない法ではなおさらだ。
「罰する」「防止する」「義務化する」というのも一つだが、人類に関する根深い問題においては逆の対策も必要だ。
それは「社会に倫理観を広める」「人としての生き方に多くの人が目覚める」ということだ。
新型コロナウイルス感染症の予防のために、要請に自主的に国民が応えたように、自主的にパワハラをすることが悪であるという価値観が広がり、人としての良心に従う人が増えれば、パワハラは減っていく。
なぜパワハラが起きるのかという根本命題を探る必要がある。
最後までお読みいただき、ありがとうござりんす!