木村花さんの死去に関する問題でBPO(放送人権委員会)が「放送倫理上の問題があった」と結論!
《BPO(放送人権委員会)の結論は納得のいくものではない》
フジテレビのリアリティー番組『テラスハウス』に出演したプロレスラーの木村花さんが番組放送後(地上波)に死去したのは、「過剰な演出がきっかけ」として、母木村響子さんが人権侵害をBPOに申し立てた事案で、BPO(放送倫理番組向上機構)の放送人権委員会(奥武則委員長)は、3月30日、「木村氏に精神的な負担が生じることが明らかである本件放送を行うとする決定過程で、出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で放送倫理上の問題があった」との見解を発表した。
だが、「放送倫理上の問題があった」との見解を示したが、「人権侵害があったとまでは断定できない」と結論づけた。
BPOは、母響子さんが主張していた「ことさらに視聴者の感情を刺激するような過剰な編集、演出を行ったことによる問題がある」ということに関して、事実確認が確定できないこと、「木村氏の怒りの場面は、少なくとも相当程度には真意が表現されたものと理解できる」ことを指摘し、「放送倫理上の問題があるとは言えない」とした。
BPO放送人権委員会は、フジテレビに対して、「本決定を真摯に受け止めた上で、フジテレビが木村氏の死去後に自ら定める対策を着実に実施し、改善を続けるなどして再発防止に努めるとともに、本決定の主旨を放送するよう要望する」と発表した。
《人権侵害に関する経緯》
木村花さんがフジテレビのリアリティー番組『テラスハウス』に出演したことにより誹謗中傷を受けて自死したことで、母親の響子さんは「人権侵害があった」と訴える申し立てをBPOにした。
だが、フジテレビは、「番組で女性(花さん)を暴力的に描いていない」などと主張し、社内調査の結果をもとに、「人権侵害は認められない」と反論していた。
そこでBPOは、2020年9月以来、審理を重ねてきた。
(情報は、「読売新聞」「JIJI.COM」「スポーツ報知」)
BPOのフジテレビに対する指摘!
BPO放送人権委員会は、この問題に関していくつか指摘していることがある。
《BPOの指摘1》
フジテレビの『テラスハウス』(リアリティー番組)は、ドラマやドキュメンタリーと違い、「視聴者の共感や反発は出演者に向かう性質がある」と指摘している。
《BPOの指摘2》
SNSが普及する中、出演者の言動について、様々なコメントを共有することが視聴者の楽しみ方となっている現状を踏まえ、「リアリティー番組の出演者が誹謗中傷によって精神的負担を負うリスクは格段に高い」と指摘。
《BPOの指摘3》
花さんが精神的に不安定になった後も制作責任者は直接連絡することがなかったなど、フジテレビの対応は「問題の深刻さの認識に甘さがった」と指摘(批判)。
(情報は、「読売新聞」「JIJI.COM」「スポーツ報知」)
これだけ指摘しておいて、「人権侵害」がないとは、一体どういうことか?
BPO にもの申す!
《BPOの結論の核心部分》
この発表で重要なことは、「放送倫理上の問題があった」との見解を示したが、「人権侵害があったとまでは断定できない」と結論づけたことである。
これはBPOという組織の能力と意欲の限界を示すものである。
つまり、BPOという組織は主に「放送に関すること」にしか興味関心がなく、「放送に関すること」しか裁定する気はなく、またできない、ということなのだ。
これで、放送倫理をチェックし、番組づくりの向上という機能を果たせているというのか?
《BPOはテレビ局(番組制作)の責任を追求する真の解決組織ではない》
ご意見番がBPOという組織に対して思うことは以下のことである。
「放送倫理」と「番組の向上」の調査と判定だけしかできないということは、「番組の制作の問題を根本から調査、解決する組織ではない」ということなのだ。
特に「制作の意図」を見抜くこと(調査すること)には、まったくもって無能を示していると言っていい。
そもそもBPOという組織は、テレビ業界の関係者が立ち上げた組織であり、本当の意味で第三者的立場に立っていない組織である。
第三者的立場に立っていなければ、木村花さんの事案のような「人権侵害の問題」は調査も解決も出来るはずがない。
結局、BPOは、「世間からの非難をかわしながら、フジテレビを守った」ということだ。
《BPOの結論にもの申す!》
〈BPOにもの申す1〉
「木村氏に精神的な負担が生じることが明らかである本件放送を行うとする決定過程で、出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で放送倫理上の問題があった」
官僚のような答弁で煙に巻いて世間の人を納得させようとしても駄目だ!
ここで重要なことは「本件放送を行うとする決定過程で」という部分だ。
つまり、『テラスハウス』に出演していた木村花さんが精神的な負担を生じることを認めつつも、その精神的な負担を生じさせた根本の問題に注視しているのではなく、そうしたシーンの放送または放送を決定することに対して放送倫理上の問題があると認識していることだ。
要するに、BPOが問題としているのは、放送または放送することを決めたことであって、木村花さんに精神的負担を発生させたことではない、と言っているのだ。
これでよく「人権委員会」を名乗れるな!
こうしたものの考え方や注視では、人権侵害の問題をはじめから扱えるわけがない!
BPOには、人権侵害の発生に関する問題を処理する能力と意欲はないということだ。
いいですか、ネットフリックスでの配信後に、花さんへの誹謗中傷が起きていた。
それをフジテレビは承知していた。
というよりも、ネットで話題になっているといい気になって地上波で放送した。
つまり、地上波で放送する前にすでに誹謗中傷があり、花さんが自傷行為などを行っていたにも関わらず、地上波で放送したのだ。
それに責任がないとうのは「どの口して言うか!」。
だったら、BPOという組織の存在意義はない!
〈BPOにもの申す2〉
母響子さんの主張である「ことさらに視聴者の感情を刺激するような過剰な編集、演出を行ったことによる問題」の事実確認が確定できない、とは一体どういうことなのか?
「フジテレビ側のスタッフの強い影響力があったことは想像できるものの、花さんの意思決定の自由を奪うほどではないとして、自己決定権などの侵害は認められない」
だと?
また、「木村氏の怒りの場面は、少なくとも相当程度には真意が表現されたものと理解できる」とは、木村花さんに責任があると言っているとしか聞こえないが!
花さんがスタッフから「ヤラセ指示」を受けていたと証言しているではないか?
BPOよ、なにか、「死人に口なし」と言いたいのか?
花さんのスマホには、「やらせ」を裏付けるLINEのメッセージが多数残されている。
それは調べなかったとでもいうのか?
花さんは、母響子さんへこんな告白をしている。
「自分の仕事道具壊されて、スタッフにカメラの前でキレろって言われて」
これでも、視聴者の感情を刺激するような過剰な編集、演出を行ったことによる問題の事実確認が確定できない、というのか?
あんたらの目はふし穴か?
花さんの怒りの場面は、「少なくとも相当程度には真意が表現されたもの」だと?
『テラスハウス』には誓約書があった。
(後に判明)
誓約書には以下の内容があるという暴露がある。
「スケジュールは撮影方針(演出、編集を含む)に関して、全て指示・決定に従う」
「本番組の内容及び本番組への参加で経験したことの一切について、新聞、雑誌(いわゆる「写真週刊誌」を含みますがこれに限りません)、ウェブサイト、ブログ、SNSなど、一切の媒体で公表しません。取材にも一切応じません」と。
「誓約書に違反して制作に影響が出た場合、出演者が1話分の制作費を最低限とする損害賠償を負う」
そして重要なことは、このことは番組放送前だけに適用されているのではなく、番組終了後まで適用(規制)していることだ。
つまり、中国共産党政府のように明らかな「言論統制」をしているのだ。
しかもこの誓約書に違反すると違約金などのペナルティーがある。
花さんが怒った場面の本当のことを話せばリアリティー番組が台無しになる。
テレビ局が視聴者に責められる。
そして暴露した花さんはペナルティーを受ける。
こんな言いたい事(演出の指示)を言えないように言論統制をしておいて、責任が無いとでもいうのか?
だったら、BPOという組織の存在意義はない!
〈BPOにもの申す3〉
BPO人権委員会は、地上波放送に先立つネットフリックス配信後に、花さんが自傷行為をしたことに関して「フジテレビは自傷行為後に一定のケア対応をしており、人権侵害があったとまでは断定できない」と判断した。
これは“問題点のすり替え”である。
人権侵害の問題は、自傷行為の前に起きていることに対してでなければならない。
なのに、自傷行為後にケアしたから、なぜそれが人権侵害にあたらないと判断するのか?
支離滅裂である。
だったら、BPOという組織の存在意義はない!
〈BPOにもの申す4〉
フジテレビの検証が内部調査にとどまった点についてBPOは、「番組による人権侵害等を判断する委員会の基本本務とは距離がある」と言い訳した。
これはフジテレビを窮地に追い込まないためであり、そして自分たちの職務怠慢の言い訳である。
「人権侵害を判断する基本任務」があるからこそ、フジテレビに対して第三者的視点でもって、徹底的に調査をするべきであろう。
これはBPOが自ら、「本当に重要な人権侵害の問題を解決できません」と宣言しているようなものだ。
だったら、BPOという組織の存在意義はない!
〈BPOの存在意義はないに等しい〉
以上見てきたように、BPOは、本当にひと一人の命が奪われた人権侵害の問題について根本原因を解明していない。
「放送倫理上の問題があった」としながら、「人権侵害があったとまでは断定できない」という詭弁を弄するBPOには、甚だ怒りしか感じない!
だったら、BPOというテレビ局という身内に甘い組織は存在する意義がない。
別の「真の意味での第三者機関」が必要である。
その「真の意味での第三者機関」の存在と機能については、放送法に定める必要がある。
つまり、法的根拠を持って、テレビ局の「やらせ」「捏造」「フェイク」「公正性を欠いた番組制作および報道」を監視し、違反があった場合に、強制力を持って改善させる組織の出現が必要だ。
総務大臣よ、国民のための仕事をしなさい!
母、木村響子さんを思う!
《母響子さんの思い》
BPOの結論(発表)を受けて花さんの母親である響子さんは会見で声明をだした。
それは子を持つ親であるならば、胸にずっしりと応えるものであろう。
「人権侵害について認められない結果について、私はすごく“歯がゆく悔しい”思いをしてます」
涙を隠すことなく流しながら響子さんは語った。
「これだけ、番組にでて誹謗中傷を受けたことが・・・、原因っていうのが、これだけ明らかに見て取れるのに、それを認めてもらえないっていうのは、本当に、私たちの苦しさを、本当に、深くさせるものでもありますし・・・、本当に二度とこんな思いを誰にもしてほしくないので、フジテレビに関しては、誹謗中傷対策だけを隠れ蓑(みの)、カムフラージュに使うことなく、本当に自分たちの番組づくりを見直して、出演者をコマの一つとしてではなく、一人の人間として本当に大切に扱っていただきたいと思います」
(情報は、「朝日新聞」「Kyodo News」)
フジテレビへもの申す!
暴力を笑いに変えたり、「ヤラセ指示」をだして出演者の気持ちを一切考えずに「面白ければいい」という番組づくりをするフジテレビに存在意義はあるか?
フジテレビが制作・放送した番組がきっかけで、ひと一人の命が失われたにも関わらず、組織的な誤魔化しと隠蔽をするテレビ局は悪魔と呼ぶにふさわしい。
視聴者の多くは、すでにフジテレビの悪質性を認知している。
いや、フジテレビだけではなく、テレビ業界全体が腐敗や隠蔽、捏造の巣となっていることを認知している。
BPOの結論は、世間が納得いくものではないが、それでも「放送倫理上の問題があった」という指摘は世間に重く受け止められるだろう。
つまり、フジテレビには「放送倫理が欠けている」と判定されたことと同じだからだ。
フジテレビは、これまでに「やらせ番組」「捏造番組」を数々制作、放送してきた。
人ひとりの命を奪ってもなお、反省も謝罪もしないフジテレビには、いつの日か必ず鉄槌がくだるだろう!
その日まで震えて眠れ!!
ご意見番は、娘の無念を晴らそうとする“愛深き母”響子さんを支持、応援する!
最後までお読みいただき、ありがとうござりんした!