対テロ用の装備や機器は兵士を進化させ、市民を危機に追い込む?
《壁を透かして情報を把握するシステム》
戦争は悲惨なものであり、起こすべきではないものですが、科学技術という視点でみると、戦争がさまざまな科学技術を開発し、それが後に人間に恩恵を与えているものになることがあります。
戦争は大規模なものだけではありません。
現代においては、テロという小規模の戦争が頻繁に起こっています。
対テロ作戦において確実にテロリストを壊滅させ、人質を救出するための装備や作戦が考え出されています。
対テロ用のシステムとして「壁を透視する機器」が開発(カメロ社)されています。
壁を透かして見ることで、障害物の向こう側でなにが起きているのか手がかりを得ることができます。
壁を透かして情報を得るシステムは、レーザーのように電波を発し、電波が壁を通過し対象物にあたって跳ね返るとそれを視覚化します。
これによって、構造物(部屋など)のリアルなレイアウトを知ることができます。
この技術は対テロ作戦に参加する隊員の命を守り、且つ作戦を実行しやすくすることが目的です。
シルエットを見ることで、「大人か?」「子どもか?」「座っているのか?」「立っているのか?」が分かります。
動きがあれば生きていることが分かります。
心臓の拍動や呼吸まで把握できます。
つまり、この壁を透かして見るシステムでは、行動それ自体が情報となるのです。
通常、人質は動かないことがほとんどであり、人質を取っているテロリストは動いていることがほとんどです。
ですから、「動き」によって攻撃するべき対象のテロリストと救出するべき人質の場所を特定することができるのです。
《装着すれば最強になれるパワードスーツ》
着れば強くなれる「パワードスーツ」は、個人の動作や力を増幅させるシステムです。
例えば、2mしかジャンプできなかった人が5m、10m飛べるようになる。
50㎏の荷物しか持てなかった人が、200㎏の荷物を持ち運べるようになる。
つまり、パワードスーツとは、人の動きを早めたり力を強くしたりするものです。
新世代のパワードスーツには驚くべき機能が備わっています。
それは、暗闇でも昼間のように見ることができる暗視機能、AR(拡張現実)の情報が得られるヘルメット、重みを感じずに走ったりジャンプしたりできる機能、さらに兵士の傷を治療する機能まで備わっているのです。
(ARとは、現実にバーチャルな情報を重ねて表示すること)
また、兵士の体温を下げる水の循環システム、傷を焼いて治療する器具が装備されています。
兵士が銃弾を受けた場合、自動的に水で傷口を洗い、保護剤を貼ってくれます。
つまり、治療までパワードスーツが行ってくれるのです。
《透明マントの研究が真剣に行われている》
「透明マント」というと、ハリーポッターやアニメの世界の話だと思うでしょう。
ですが、嘘ではなく、実際に透明マントを作る実験が進められています。
いまはまだ開発の初期段階ですが、光が障害物の背後に回り込む「回折」という現象を利用してマントを着用している人を透明人間のように「見えなくする技術」を開発しています。
それはあと10年くらいで開発されると見られています。
本格的に開発されている以上、「そんなの信じられな~い!」という人がいても、いずれ実用されるでしょう。
《ハイパーヒューマンの出現》
さらに恐ろしいのは、人体そのものに手を加える研究も行われています。
世界一の軍事大国のアメリカでは、兵士のDNAを操作する段階にまできています。
ロシアは、すでにロシア軍兵士の遺伝子組み換えを行う意思があると表明しています。
これらのことは、戦争や兵士だけではなく、一般市民の生活にも大きな影響を与えることになります。
DANを改編された兵士が退役して一般人の生活の場に入り込んだとしたら?
DNAを改編された兵士は疲労を感じることなく24時間働くことが可能になります。
IQは160以上、疲れを知らない元兵士が、そうでない一般の人と働き口を巡って競争関係になるとしたら、あなたならどう思いますか? どうしますか?
こうした人間を改造する思想を「トランスヒューマニズム(超人間思想)」と言います。
要するに、こうした技術は改造された(超人となった)人間と自然な肉体を持つナチュラルヒューマンという2つの種類の人類に分れる未来が予想されるのです。
その場合、勝負は明らかです。
ハイパーヒューマンとナチュラルヒューマンでは、そもそも勝負になりません。
すると、改造されたハイパーヒューマンがやがてナチュラルヒューマンを支配する世界(社会)が実現されてしまうかもしれません。
こうした未来における危機を回避するために、開発や意思決定プロセスに倫理学者が加わるべきだと主張している人もいます。
もし戦争用に開発された最先端技術が市民に対して使用されたら・・・。
《壁を透かして見るシステムを監視用に使用したら》
基本的に壁を透かして見るシステムを一般社会で使用することを認める市民はいないでしょう。
基本的に、軍事用以外の使用は禁止にされることは言わずと知れた「当然」です。
ですが、世界には全体主義国家(社会主義国家)、独裁主義国家が存在しています。
そうした国家が他民族や政府に批判的な市民たちを監視するために使用したら、どうなると思いますか?
つまり、本来守られるべきプライベート情報が無断で取られていたら、どうしますか?
社会主義国家、独裁主義国家が口にする名目は「国家転覆を阻止するため」「国家の安全のため」です。
しかし、それは“独裁者の詭弁”です。
そこには民主主義国家の姿である「全ては国民を中心とした発想」とは真逆の発想があります。
つまり、国家のために国民があり、国民は国家政府の言いなりになるべきである、という思想です。
えっ? そんな国家が出現するか?
すでに出現しているではありませんか?
新疆ウイグル自治区で行われている超監視社会、ウイグル人への弾圧や虐殺は「ウイグル人が中国共産党政府の言いなりにされている社会」です。
また一国二制度を50年保証するといっておきながらすでに香港の自由を奪い、弾圧しているではないですか?
社会主義国家、独裁主義国家がこのような便利なものを政府の都合で使用しないと誰が言い切れるでしょうか?
もし、このようなシステムを戦争以外の目的で使用すると「人権」は完全に無くなります。
「自由」は完全に死滅します。
日本やアメリカなどの民主主義国家、自由主義国家には起こり得ないことだと考えているのなら、それこそ一番怖いことだと思うのです。
自由主義と民主主義の国家であるアメリカ合衆国では急激な左翼化が起きています。
つまり、社会主義国家へと大きく傾いているのです。
日本においても社会主義的システムや思想はすでに社会に根付いています。
特に顕著なのが「教育現場」です。
学校のブラック校則の問題とは、結局、社会主義が入りこんだ学校の問題なのです。
《透明マントが不正に使用されたら》
透明マントなんか一般社会で使用することなんかないよ?
そんな楽観主義な方も多いでしょう。
ですが、国家運営や国防に関することや市民の安全を考えるときに重要な発想は「悲観的に考えること」であって、決して「楽観的に考える」であってはならないのです。
最悪の事態を想定して市民の安全や自由な生活を考えなければならないのです。
危機管理の発想は、「常に最悪の事態を想定し、それに備える」です。
昔も今も技術を悪用する人間は絶えたことがないのです。
アチキがもし国家の側であったなら、透明マントをスパイの道具として使用します。
そうすることで敵国の秘密情報を盗み出します。
秘密情報を敵国に盗まれるということは、国家安全保障上の危機であり、市民の危機に他なりません。
《人体改造が医療(治療)以外の目的で使用されたら》
ハイパーヒューマンの技術や部分的な人間の機械化は、身体になんらかの障害を持った人に福音をもたらします。
歩けなかった人が以前のように二本足で歩けるようになる。
視力を失った人が見えるようになる。
素晴らしいことです。
しかし、そうした人間の身体を一部機械に置き換えること、及びDNA操作などはどこまで許容すべきでしょうか?
もし、仮に無制限にしてしまうと、早ければ数年後には、部分的なハイパーヒューマンが誕生してしまうでしょう。
やはり超えてはならない一線はあるとご意見番は思うのです。
人体改造に関しては、医療目的、及び障害の克服以外で使用することは絶対に禁止にするべきです。
その際に、以前持っていた身体能力を遥かに上回る機能を加えることも禁止にするべきです。
つまり、あくまでも以前の身体、以前の生活を取り戻すことを目的としなければいけません。
それを超えると際限なく人間は機械化していきます。
すると人類がいまだ経験したことのない「差別」「格差」「争い」が生まれてしまいます。
そして、それは機械化した人間がそうでない人間を支配する社会となるはずです。
超えてはならない一線とは?
あくまでも世直しご意見番が考えるという前提の上で話をします。
《フィクションのような世界が未来に起こる》
これらの話はフィクションでもなく、映画の世界だけの話でもありません。
近い将来に起こり得る「人類の危機」なのです。
その危機は、このままだとほぼ確実にやってくることが間違いないでしょう。
(何らかの改革や動きがなければ)
戦争時に兵士を守るために生まれた技術は、やがて民間社会に転用される形で普及していきます。
(その技術の基がどこから来たのか市民が知らなくても)
社会主義国家、独裁主義国家は戦争時以外でもこうした最先端技術を自国に利益をもたらすために使用します。
戦争時に兵士を守るためという名目は怖いものです。
自国を守るため、防衛のため、という大義をかかげて、そのために世界中にスパイを送らせて情報収集、情報操作する。
(スパイは古今東西、過去から現在までなくなったことはありません。市民が知らない所で密かに活動をしています)
《権力者(国)から自分たちの自由と生活を守るために》
非常に大切なことは、市民による最先端技術の開発・運用の監視です。
この場合の監視とは、「使用目的(実際の使用)」ということです。
市民に監視を行わせないのならば、そうした戦争時に兵士を守るためという目的であっても、開発をさせるべきではありません。
市民の目は常に、
「何のために使用するのか?」
「使用するとどうなるのか?」
ということに向いていなければいけません。
原子力に関する科学が、人類にエネルギーを提供すると同時に殺人爆弾まで生み出しました。
科学技術には「心」がないのです。
ですから、心ある市民がその使用を監視しなければ必ず権力者側の都合によって市民が苦しむことになるのです。
それが歴史の教訓なのです。
その前提は、自国が「健全な民主主義社会であること」「真の自由主義国家であること」であり、民主主義と自由主義国を脅かす共産主義、全体主義の国家を排除することです。
現代の戦争は、実際の戦闘に入る以前に経済戦争、宇宙技術開発競争などで有利に立つことで勝負がある程度ついてしまいます。
《経済と戦争、経済と政治を切り離して考えてはいけない》
経済と戦争、経済と政治を分けて考えてはいけません。
『戦争論』のクラウゼヴィッツが主張しているように、「戦争は政治の延長」なのです。
そして「経済は政治の道具」なのです。
それを理解していない日本人が多くいるように思います。
これを古い言葉で「兵糧攻め」と言います。
敵国の経済を左右するほどの力を有するということは、いつでも経済的打撃(兵糧攻め)を与えるということを意味するのです。
それはその国家の国民にとっては死活問題なのです。
《最先端技術に心を持たせる》
「心」なき技術は、暴力と化します。
「心」なき技術は、便利さと同時に「不幸」をもたらします。
どんなに便利な機械やシステムでも、開発してはいけないものがあるのです。
たとえ名目が正しくても、そこに人類を不幸にする要素があるのならば、使用してはいけないのです。
市民(国民)が声をあげて監視しなければ、数十年後の未来では悲惨な生活をする人たちが出てくるでしょう。
その未来はすでに始まっているのです。
遠い未来の話ではないのです。
最後までお読みいただき、ありがとうござりんした!