『「猫を飼えなくなりました」という衝撃! ~NPO法人ねこけんチャンネルから~』

みなさん、『NPO法人ねこけんチャンネル』というのをご存知ですか?
猫好きでYouTubeをよくご覧の方は、知っているかもしれませんね?

アチキは、先日、『ねこけんチャンネル』のある動画を見て衝撃を受けました!
今回は、その驚きについて語りたいと思います。

今回の記事に関しては白黒はっきりつけられる内容ではないことを先に述べておきます。
いつものご意見番の主張とは少し趣が違う内容となっています。

猫を飼えなくなりました!

アチキが衝撃を感じた動画は『ねこけんチャンネル』2月3日投稿の「猫を飼えなくなりました」という回です。

動画では個人が特定されないように姿は見えなくなっていますが、高齢男性(?)とおぼしき人がキャリーケースに1匹の猫(アメショと思われる)と共にNPO法人ねこけんを訪れます。

猫の飼い主である男性は、NPO法人の代表である溝上さん(女性)に、猫が飼えなくなった事情を話します。
男性は離婚して引っ越しますが、その際に飼い猫を別れた妻に預けました。
本人の言葉では、「置いていっていいよと妻に言われた」と言っています。
しかし、別れた妻が引っ越した先は“ペット不可”の住宅だったのです。
男性(夫)のほうもすでに引っ越しており、そこも“ペット不可”の住宅なのです。

要するに、男性がNPO法人ねこけんにやってきた理由は、離婚してお互いに別居することになり、両方とも住宅事情によって猫を飼えなくなった、ということです。

まず、事情があるとはいえ、ペット(猫)を飼えなくなったから手放す人がいることにアチキは衝撃(驚き)を覚えました

問題の動画のリンクはこちら

猫を飼えなくなりました – YouTube

『NPO法人ねこけんチャンネル』を見て感じたことは?

以下は『NPO法人ねこけんチャンネル』から多くを引用

《猫を手放すいきさつ》

まず男性の言い分としては、猫は別れた妻が引き取ったので、ペット可の住宅に引っ越すと思っていた(妻が)、ということがあります。

この男性に対して溝上さんはこう問いかけます。
「この子、なんで飼ったんですか?」

男性はこう答えています。
「二人で飼おうって、合意のもとに買って(ペットショップから)・・・」

溝上さんは男性の気持ちを確かめるようにこう聞きます。
「じゃあ、もう動物は飼わない? ような感じですか?」

男性
「いや、出来たら僕は手放したくはないんだけど、猫を飼ってしまうと俺が今住んでいる所を出ないといけなくなっちゃう」

溝上さんはさらに確かめます。
「この子のためにまた引っ越しをするつもりはない・・・?」

男性
「余裕があれば引っ越したいけれど、年金になっちゃって余裕がないんです」

溝上さんは最後に核心の質問をします。
「いま、この子をペットショップで買ったことを後悔していますか?」

男性
「してます・・・」

事情を一通り聞いた溝上さんはこう語りました。
「この子も傷つくんですよ。なので本当に反省してもらっていいですか」

そして「大事にお預かりさせてもらいます」と男性に告げます。
溝上さんは猫をしっかり抱き寄せながら頬を撫でて、不憫な猫に愛情をしめします。

最後に「お別れしてください」と言われて男性は飼い猫を撫でます。
男性はハンカチで涙をぬぐいます。
本当に愛らしいアメリカンショートヘアーの猫です。

お別れをした男性は最後にこう言いました。
「いい人に飼ってもらえれば・・・」

飼い主の去っていく姿を猫(ふうちゃん)はじっと見つめていました。
そして、ふうちゃんが“預かりの家”に移動した夜、一晩中泣き続けたそうです。
アチキは涙を止めることができませんでした。

《猫を手放した元夫婦に思うこと》

〈夫に対して〉

どうして猫を妻に預けたのでしょうか?
どうして猫を引き取って、一緒に住める住宅を探さなかったのでしょうか?
年金暮らしでも、アルバイトをしてでも働いて引っ越し代を稼ぎ、猫を迎えにいくことをなぜ考えなかったのでしょうか?
猫を手放すのではなく、一時的に(ペットと住める住宅に引っ越すまで)預けて、いつか迎えに行くという選択はなかったのでしょうか?

飼い猫はあなたにとってどんな存在でしたか?
猫はあなたを大好きだったのではないですか?
猫はあなたの悲しみや寂しさを癒してくれる存在だったのではないですか?
猫はあなたと一緒にどこへでもついていきたいと思っていたのではないでしょうか?
それがたとえホームレス生活でも。

離婚することは人間にとってものすごくショックな出来事です。
心が傷つきます。
引っ越しをして、年金生活ではお金に余裕なんてないのでしょう。

事情は察します、仕方がないと思える部分もあります。
あなたも辛いのでしょう。
なぜなら、猫とのお別れに涙を流したのだから。
そして、あなたは段ボールにいれて道端や空き地に猫を捨てなかったから。
保護してくれる団体に援けをもとめ、新しい飼い主に託したのだから。
あなたの苦渋の決断のなかに猫への愛情は見えます。

ですが、それでも言いたい。
猫の気持ちをどこかに忘れている。
あなたは飼い主に見捨てられた猫の気持ちよりも自分の生活の苦しみ、離婚の悲しみを優先している。
それでもアチキにはそれを責めることはできません。
ただ、それが無性に悲しいのです。

〈妻に対して〉

あなたはなぜ、「猫を置いていっていいよ」と言ったのですか?
(夫の話が本当であれば)
あなたは、猫を引き取って育てると決めたのではないですか?
なのに、なぜペット不可の住宅に引っ越したのですか?
引っ越し先が“そこしか”なかった事情があったのでしょうか?

詳しい事情は分かりかねますが、長年猫と暮らし猫大好きなアチキとしては、どうしても言いたいことがある。
「あなたは無責任だ!」
(夫の話が本当ならば)

猫を引き取ると言っておきながら、ペット不可の住宅に引っ越し、そしてなにより許せないのが、保護団体になぜ夫が行ったのですか?
なぜ猫を引き取ると言ったあなたが保護団体に猫を連れて行かなかったのですか?
もしかしたら、男性(夫)の話には虚偽が含まれているかもしれません。
それはアチキにはわかりません。
ですが、もし、その話が本当であれば、あなたこそ反省しなさい。
あなたは動物を飼う資格なんてありません。

もちろん、あなたにはあなたの事情があるのでしょう。
あなたも傷ついたのでしょう。
あなたも新しい生活に必死なのでしょう。

でも、それはあなたが求めて飼い猫になってくれた猫が捨てられることとは、なんの関係もないことです。
猫にも愛情があるのです。
愛情があるということは、飼い主から見捨てられたら悲しむのです。
小さな心を密かに痛めるのです。
飼い猫は飼い主を愛しているのです。
飼い主と一緒にいたいと思っているのです。
その気持ちを踏みにじったことを忘れずに生きていくことが、あなたにとって何より大切なことだと思います。

《ねこけん代表の溝上さんに思うこと》

あなたがいてくれるおかげで、猫が救われました。
猫の悲しみを感じ取れるあなたはとても素晴らしい。
ですが、一点、気になることを感じました。

それは「飼い主の気持ちを察することがアチキにはあまり感じられなかった」ということです。
きっと感じてはいたのでしょうが、動画では飼い猫を手放す飼い主への怒りに満ち溢れているように感じました。
それは当然です。

ですが、物事は白黒つけられることと、白黒つけられないことがあります。
故意に悪事をはたらくのと、意志とは関係なく悪事を犯してしまうことは、同じではないと思います。

保護を求めてきた男性は、猫に愛情を持っていました。
やむにやまれぬ事情だったのでしょう。
もちろん非難されて当然のことです。
ですが、猫を救うには飼い主が救われねばならないということをもう少し理解したほうがいいと思うのです。

猫の悲しみが分るのなら、猫を手放す飼い主の気持ちをもう少しいたわっても良かったと思います。
そのうえで、飼い猫を手放す無責任さを責めてもよかったと思います。

やむにやまれぬ気持ちで手放す飼い主と、嫌になったから捨てる飼い主では大きな違いがあると思います。

動物(ペット)を飼う(扱う)人間の4つの心境!

アチキは動物、特に犬や猫などを飼う人、又は扱う人の心境にも違いがあり、それをあえて区別すると4段階あると思っています。

《動物を飼う(扱う)人間の心境(認識)の4段階とは?》

「家畜」「おもちゃ」「ペット」「家族」の4段階です。

「家畜」

家畜とは人間でいうところの奴隷のように扱うという意味です。
家畜として扱うということは、その生死まで人間の都合によって左右されることを意味します。
人間に利益をもたらせば生かすが、人間に利益をもたらさなければ殺す、という生殺与奪の権限を持っているということです。

これは、飼い主というよりも飼い主以外の人間の心境であるものだと言えます。
ときに起こる猫の虐殺、虐待などはこの「家畜」と認識している人間の仕業です。

「おもちゃ」

家畜よりはずっとましですが、犬や猫を「おもちゃ」のように認識する人もなかにはいるようです。
「おもちゃ」の特徴は、自分が気に入ったならば扱うが気に入らなくなったり、飽きてしまえば扱わない、という心境です。
つまり、人間の自己中心的で身勝手な感情から犬や猫の動物を扱う人の心境です。

以前、ペットショップで猫を購入したが、“なつかない”と言って購入したペットショップに返却しに来た人がいたと、あるニュースで知りました。
しかもその返し方が、猫を床に叩きつけたというではないですか。
「なつかない」のは、あんたに愛情がないからだ、とアチキなら言ってやります。
こうした人間は犬や猫を「おもちゃ」としか見ていないのです。
悲しい人間の姿がそこにあります。

「ペット」

犬や猫を「家畜」「おもちゃ」と考える人は少ないでしょう。
ほとんどの人が「ペット」または次で話す「家族」と捉えています。

「ペット」と「家族」の違いは、「ペット」は動物と人間の違いをはっきりと認識し、区別したうえで愛情を持って接する(暮らす)という点にあります。
そこには人間と動物の上下関係がきちんとあります。
生命としての区別や上下関係ははっきりとしていますが、愛情を持って育てるのが「ペット」の心境だと思います。

「家族」

最近は犬や猫などの動物を「家族」と捉える人が増えているように思えます。
「ペット」との違いは、犬や猫をまるで自分(人間)の子どものように扱う、または自分の分身として扱う人の心境です。
それはあたかも別の種ではなく、人間の家族と同等に扱う(思う)、という心境です。
“擬人化”とよく言われますが、犬や猫を人間の家族のように扱う人の心境です。

《動物を見捨てる(手放す)人の心境はどこにある?》

私見であることをお断りしておきます。

今回のケースのようにペットを手放す人の心境は「おもちゃ」という心境の人に起こるものだと思います。また、「ペット」と「おもちゃ」の境目でも起こり得るものだとも考えます。
今回の夫婦のケースでは、「ペット」と「おもちゃ」の境界線上の心境であるとアチキは判断しました。

まず言えることは「家族」と思っている飼い主は猫(又は犬)を絶対にといっていいほど見捨てません。
どんな事情があろうとも手放さない方法を選択します。
なぜなら、人間で考えればよく分かるはずです。
父親が失業して生活費に困ったからといって、すぐに子供を養護施設に入れようと考える人はほぼいないでしょう。
なぜなら家族だから。
家族とは、守るべきものであり、喜びも苦しみも共にあるものだからです。

だから、犬や猫を家族だと思っている人は手放しません
また、ペットという認識の人でも、とても愛情深くかわいがってきた人も手放しません

しかし、犬や猫を自分の都合中心で飼っていた人は、その都合が変わると、とたんに愛情が冷めてしまいます。
それは「おもちゃ」という心境であるのです。
いったん飼い始めた犬や猫を捨てる人がいることが社会問題となっていますが、その人たちの心境は動物を「おもちゃ」と認識しているのです。
(本人はそれを自覚していない、あるいは錯覚していると思われます)

そして「ペット」という心境のなかで「おもちゃ」の心境に近い人も手放すことがあります。
今回の飼い主さんは、ご意見番の見解では、「ペット」という心境の低い位置の方であると思います。
だから、そうした決断をしたのです。

「ふたりで面倒をみると決めて、飼った・・・」
その言葉の裏に心境が見え隠れしています。

猫や犬は家族!

《新型コロナウイルス感染症のペット事情への影響》

動画の男性はこう言いました。

「手放したいというより、手放さないといけない・・・」

複雑な事情と入り乱れた感情がそこにあります。

新型コロナウイルス感染症がいまだ収束せずに、二度目の緊急事態宣言が発出され、経済はさらに落ち込みます。
失業、倒産、収入の減少が今後多くの人たちを襲うでしょう。

そうなると、今回のように自分たち(人間)が生きることで精一杯でペットを飼う余裕などなくなった、と言う人たちが増えてくることが予想されます。

政治家たちは、ペットのことまで保障しません。
ペットの事情まで考えてはくれません。

保護団体の方々は立派な仕事をしていますが、もう一段の起業家精神を発揮して、もっと柔軟で強固な活動に進化して欲しいと願っています。

《ペットを飼う人たちへのメッセージ》

猫も犬も、飼い主から見捨てられたら生きていけません。
(野良猫をのぞく)

基本的に、ペットがそこにいるのは飼い主となった方が“求めたから”です。
犬や猫が勝手に押しかけてきて、ペットにしてくれと頼んだわけではありません。
人間が人間の意志で、ペットとして迎い入れておきながら手放すことは、ペットの立場に立てば「これ以上に残酷なことはない」となります。

動物を飼うならば、「家族」として迎い入れてください。
動物を飼うならば、愛情を惜しみなく注いでください。
動物を飼うならば、悲しみも苦しみも共に乗り越えてください。
動物を飼うならば、その命尽きるまで共にあってください。

なぜならば、飼い主こそ、動物たちから多くのものを与えられているからです。

動物たち(ペット)から「癒し」「元気」「生きる力」「励まし」「喜び」などを与えられていることにまず感謝してください。
ペットは飼い主になにも求めません。
ペットは無償の愛を飼い主に与えているのです。
それに気がついてください。
それを深く理解してださい。

ペットは飼い主に惜しみなく愛情を向けてくれます。
その愛情に応えることこそ飼い主の自覚を促すはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうござりんした!


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