『フジテレビ崩壊の序曲が鳴り響く【前編】 ~崩れ行くテレビ業界の利益王フジテレビ!~』

はじめに

テレビ業界の利益王フジテレビの神話が崩れ落ちている。
そんな衝撃的なニュースが流れたのは昨年12月初旬。
すでに多くの方が目にしたニュースでしょう。
しかし、今回ご意見番が独自の見解を語るために、この話題を取り上げます。

組織体の命運や栄枯盛衰に興味がある方は、ぜひお読みください!

フジテレビ崩壊の序曲が鳴り響く!

いま、テレビ業界の利益王フジテレビに何が起きているのか「現代ビジネス」が報じる内容を中心として見ていきます。
(【前編】は、現代ビジネス等のニュースから多くを引用します)
(ニュース内容をご意見番が独自に整理してお伝えします)

《早期退職者を募集するフジテレビ》

2021年11月25日、フジ・メディアHDと子会社のフジテレビの社長を兼務する金光修社長は早期退職者募集を発表。
対象となる社員は満50歳以上、勤続10年以上の社員。

フジ社員の声(引用)

「今回の早期退職は人数制限がないため、対象者の8割が説明会に参加したようです。全体で400人強はいますので、相当な数の退社が見込まれます」

「早期退職制度でやめる50代は、もう逃げ切ったようなものです。むしろ、若手社員が続々辞めていることが大問題です。フジ全体でこの数年で40人ぐらいが退職していますが、その多くは30代、入社10年強の若手中堅社員です。一方50代過ぎの高齢社員は辞めないで残ってきた。フジテレビはいま非常事態の渦中に追い込まれているんです」

中堅社員が退職するフジテレビ》

厚生労働省によると、新規学卒就業者(2018年3月卒業)の入社後3年以内の離職率は31.2%。
1年以内の離職率は11.6%、2年目は11.3%、3年目が8.3%となっている。
つまり、3年以内に約1/3が入社した会社を離職していることになる。
これには様々な要因があると思われるので、それ自体にはこの記事では触れない。

だが、フジテレビはこうした世間の状況とは違っている。
フジテレビの場合、若年層が退社していくのではなく、キャリアを積んだ中堅幹部が次々を退社しているのだ。

《フジテレビの非常事態は数字にも表れている》

こうしたフジテレビの非常事態は株式会社としての決算の数字にも如実に表れている。

フジHDの2021年3月期連結決算は売上5199億円で前年比17.7%減
営業利益は、162億円で同38.2%減。
純利益は、101億円で同75.5%の大幅減益

売上が減少すれば当然起こるべきことが起こるのが因果の理法。
売上減、利益減が社員の給料に反映されている。

〈社員の給料減〉

かつてプロデューサークラスであれば、「40代で年収2000万円」と言われ、同社には外車を乗り回す社員が山ほどいたという。
40代で年収2000万円というのは日本企業のなかでも相当高給取りである。
こうした状況から入社希望者は殺到し、テレビ局への就職は憧れの就職先となっていた。
それがいまは普通の大手企業並みの給料まで下がっているという。

フジ社員の声

「いまの私は50代社員の7割程度の給料しかもらっていません。私の下になるとさらにその7割、30代半ばでも年収が1000万円に届かず、平均700万円台が相場でしょう。ボーナスもかつては250万円、300万円と貰っていましたが今は30代後半後でも100万円というところ。人事に不満があっても、給料が良ければ退社は我慢するでしょうけど」

〈制作費の削減〉

売上減、利益減は社員の給料減に留まらない。
制作現場に不満と怒りが巻き起こっている。
番組の制作費はここ10年で約半分~1/4に削られている

フジ社員の声(40代社員)

「深夜番組1時間であれば『150万~200万円で作れ』と指示が平気で来ます。10年前なら30分の番組で300万~400万円をかけていましたから、いまや制作費は4分の1まで削られたといっていい。これではまったくモチベーションが沸かない」

制作費も激減し、企画にも自由さがなくなったフジテレビには放送作家も集まらなくなっている。

《フジテレビの非常事態の元凶とは?》

現代ビジネスのニュースでは、フジテレビの非常事態の元凶について以下の原因を指摘している。

最も大きな原因として、日枝久フジ・メディアHD相談役(84)と同社と子会社のフジテレビ会長を兼務する宮内正喜氏(77)による『日枝・宮内体制』だという。
日枝氏は1988年にフジテレビ社長に就任、その後も会長を務めた人物。
相談役に就いた2017年以降もフジサンケイグループ全体の「ドン」として人事権を含め絶大な権力を今も持っていると言われている。

宮内会長は日枝氏が社長時代に秘書を務めた側近。
2007年に系列の岡山放送の社長として出向し、2015年にBSフジ社長となった。
2017年にはフジ・メディアHDとフジテレビの会長に就任。
要するに、日枝氏と二人三脚でフジサンケイグループを牛耳っている

これを裏付けるフジテレビ社員の声がある(現役ディレクター)

フジは日枝相談役の傀儡政権が続いています。今年7月(2021年のこと)、テレビ局の心臓部にあたる番組編成制作局に矢延隆生氏が就任したのは『日枝人事』と呼ばれました。
歴代の編成制作局長に比べれば、矢延氏にはこれといった番組の実績もない。東京海上出身の中途入社組で、カラオケと出世だけが得意のサラリーマンが制作トップになったことで、若手のモチベーションは大きく下がりました」

別の社員の声では、

「面白いものを作り斬新な意見を言う社員より、自分たちの指示通りに動き、問題を起こさない社員を登用し出世させていく、それがはっきりとした人事でしたね」

「もはや自分の企画は通らなくなりました。冒険しようとする企画はまず通らない。その代わり他局で当たっている番組の二番煎じ、三番煎じの番組ばかりやりたがる。かつてのフジは他局でやっていない面白いものを作ろう、というのがフジテレビの文化でした、私たちはそこに惹かれて入社してきたんです。いまのフジはかつてのフジとまったく逆になっている」

(情報源は、『現代ビジネス』『朝日新聞』『YAHOO!!ニュース』『NEWS PICKS』)

『【中編】フジテレビの病理を解析する!につづく。

最後までお読みくださり、ありがとうござりんす。


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