【嘘がまねいたストーカー被害】
フジテレビで放送されたTV番組『トラブルSOS』を観て、アチキは“嘘のトラブル”についてもの申したくなったので記事にするでありんす!
まずは番組を視聴していない方のために内容を簡単に説明します。
〈ケース1:ストーカー被害にあった夫婦の話〉
事の起こり
ある夫婦の所に差出人不明の手紙が届いた。
内容は夫婦の不幸を呪うような手紙だった。
そこには夫婦が住む住所が記載されていた。
さらに手紙には自宅の写真が貼り付けられていた。
夫婦はその手紙が届いたことで恐怖を感じたのです。
なぜそうなったのか?
ストーカー被害にあうことになった原因は夫の誠さん(仮名)にありました。
誠さんには送り主に心あたりがあったのです。
半年前、誠さんはSNSで知り合った40代のルミ(仮名)とデートしました。
そのとき誠さんは独身だと嘘をついてしまいます。
独身だと嘘をついた誠さんはその後、ルミと数回デートを重ねてしまったのです。
被害は?
手紙の他にも被害はありました。
- ルミは誠さんの会社に突然来て「誠を出せ」と叫ぶ迷惑行為をした。
- 会社に「誠は嘘つき男。いつも仕事をさぼっています」という差出人不明の嫌がらせの手紙が届きます。
- 誠さんの誕生日に「呪」の文字が入ったバラの花の写真をメールで添付してきた。
- ルミのSNSには誠さんの写真と実名が投降されていた。そこには「嘘つき誠に仕返し」と書かれていました。
ルミの罪は?
こうした一連のルミの行動は、脅迫・名誉棄損・ストーカー行為に該当する可能性がある。
対策は?
話を聞いた弁護士の解決方法(プラン)は?
- ルミに犯罪性が高いことを警告する。
- 誠さんがルミにしっかり謝罪すること。
- 警告と謝罪をすることで、自宅や職場に近づかないことを約束させる。
というものでした。
調査
探偵がルミを調査してみると大手企業のOLと判明。
(ルミの自宅と職場を特定する)
対決(話し合い)
こうしてルミと誠さん夫妻が弁護士立ち会いの元、話し合いをすることになりました。
ルミは初め差出人不明の手紙に関して否定していました。
しかし、探偵が調査をしたことを伝えると観念したのか罪を認めたのです。
弁護士が「なぜ、そんなことをしたのか?」と質問すると、ルミは「独身と言っていたけど既婚者だと思っていたから、嘘をついていると認識していた」というのです。
つまり、独身者だと偽って女性(ルミ)をもてあそんだことへの復讐でありんすな。
弁護士はこのままだと刑事罰の対象になるとルミに伝える。
誠さんは嘘をついたことを謝罪し、ルミはストーカー行為をやめることを誓ったのです。
これで一件落着?
【このトラブルのなにが問題なのか?】
テレビ番組がストーカー行為に苦しむ人を救ったということは大変な善行と呼んでもいいと思います。
ですが、この番組を観ていて、アチキは違和感を覚えました。
このトラブルでの対処のポイントは、誠さんが謝罪したうえでストーカー行為をやめさせることでした。
つまり、誠さんに非があるということは被害者夫婦と弁護士も認めているのです。
こうした被害・事件の解決などを最近のテレビ番組ではよく見かけますが、こうした番組や報道に関して、共通することがあるのです。
それは、被害者の落ち度や罪にはほとんど触れず、加害者を一方的に糾弾することです。
(これをアチキは「マスメディアによる勧善懲悪ドラマ」と呼びます)
勘違いして欲しくないのは、アチキが加害者をかばおうとか、加害者に罪がないとか言っているわけではないということ。
今回のケースでも、ルミがやったことは法律に触れる犯罪行為に該当(可能性)し、誠さんとなんの罪もない奥さんに対して精神的苦痛を与えたことは間違いない。
それをルミは反省しなければならない。
それは当たり前だ。
だが、それだけなのか?
というのがアチキの考えだ!
物事には必ず原因があって結果が起きるという原因結果の法則がはたらいている。
今回の誠さんのトラブルでいえば、誠さんが既婚者であるにも関わらず、浮気相手をSNSで探し、実際にデートし、独身者だと嘘をついて相手(ルミ)を騙したことがトラブルの第一原因なのだ。
誠さんの嘘がトラブルの原因なのだ。
【犯罪と人道上の罪】
さらに原因結果を深く見ていこう。
誠さんがなぜ嘘をついたのか?
それは浮気をしたかったからだ。
つまり、異性に対する欲望があったからだ。
浮気をするということは、奥さんへの裏切り行為だ。
つまり、誠さんは浮気をすることで奥さんを傷つけ、浮気相手であるルミに嘘をついて騙したことで二人の女性を傷つけたことになる。
誠さんは異性への快楽を求める欲望を抑えきれなかったことで、ルミに嘘をつき恨みをかった。
そのことでストーカー行為に発展してしまったのだ。
つまり、誠さんの欲が今回のトラブルを発生させた根本原因なのだ。
こういっては誠さんに失礼かもしれないが、原因結果の法則から言えば、誠さんがストーカー行為にあったことは自業自得というものだ。
ルミは話し合いの中でこう言っていました。
「やり過ぎたと思っていた。謝ってくれていたら、本当のことを言ってくれていたら、やる気(嫌がらせ)はなかった」
「ただ謝ってほしかっただけ」
ルミのこの言葉が重要です。
ルミはなぜ謝ってほしかったのでしょうか?
それはルミが誠さんの嘘により(騙されたことで)心が傷ついたからです。
刑事罰の対象ではありませんが、第一加害者(こういった言葉はありません。アチキの造語です)はルミではなく誠さんなのです。
要するに、先に相手を傷つけたのは誠さんの方なのです。
傷つけられたから傷つけ返す。
それがルミの動機です。
誠さんがもし、「嘘をついていなかったら」「浮気をしようとSNSを利用していなかったら」こうしたトラブルは起きていないということなのだ。
ここがこの問題(トラブル)の最重要ポイントなのです。
弁護士などが出来ることは法律に照らして被害者を救済することだけ。
人道上の問題に踏み込んでくることはないのです。
ここに疑問がある。
社会の中で、人は法律に触れなければ何をしてもいいのか?
刑事罰に該当しなければ、他人を傷つけてもいいのか?
ということだ。
アチキは、それは違うだろうと言いたいのだ。
法律を守るのは当然だが、人道上の問題だってしっかり守らなければならないはずだ!
獣でなく、家畜でもなく、「人」だというのならば、自らの良心に照らして恥ずかしいことをしてはいけない。
人としての倫理を踏み外してはいけない。
そうしたことをテレビなどのメディアや弁護士は扱わないということは、世の中を悪くする根本原因から目を背けているということだ。
ルミを謝罪させ、勧善懲悪の裁きが下ったなら、番組の中で嘘をついてはいけないと視聴者に警告をすることが必要なはずだ。
その部分に触れずにただ、加害者を吊るしあげただけで終るのは片手落ちだ。
嘘というものは、人の心を傷つける。
お釈迦さまの教えにも「不妄語(嘘をついてはいけない)」というものがある。
モーゼの十戒でもキリスト教でもイスラム教でも、「嘘」をつくことを戒めている。
さらにお釈迦さまは人間の苦しみの原因は煩悩(欲望)であると説いている。
誠さんが既婚者なのにも関わらず、浮気をしようとした行為は刑事罰には該当しない。
誠さんがルミに独身者だと嘘をついて傷つけたことも刑事罰には該当しない。
でも、それは罪だ!
つまり、人としてのあるべき姿から言えば、トラブルの原因結果の法則から言えば、誠さんは加害者でもあり、大きな罪を犯しているということだ。
(ただし、トラブルが起きたことで誠さんは反省しているようだ)
本当に誠さんのような被害に苦しむ人を救済するならば、「浮気をすること」「嘘をついて他人を騙すこと」に注目し、そうした罪を犯さないような番組作りや報道をしなければいけない。
繰り返すが、加害者を一方的に糾弾するだけでは、本当の解決にはならない。
その他の多くの人の教訓とはならない。
【世直しご意見番が“嘘つき”に、もの申す!】
「嘘をつくことは誰かを傷つけること。誰かを傷つけたなら報復という反作用が働くものだ」
「嘘を簡単につく人は罪の自覚を持つと同時に深く反省せよ!」
「嘘をつくことは罪なのだ、という正しい認識が世の中に広まることを強く望む!」
お読みくださって、うれしうござんす。