『日本初、受刑者専用求人誌『Chance‼』にあっぱれ!! ~人生の再起をかける受刑者たちにエールを送る!!~』

みなさん、受刑者専用の求人雑誌があることをご存知でしたか?
アチキは最近知りました。
今回は、受刑者専用の求人誌『Chance‼』とそれを発行した三宅晶子さんについて語りたいと思うでありんす!

【日本初、受刑者専用求人誌『Chance!!』】

《日本初、受刑者専用求人誌『Chance‼』とは?》

日本初の受刑者専用求人情報誌『Chance‼』を発行しているのは株式会社ヒューマン・コメディ代表取締役の三宅晶子さんです。
(株式会社ヒューマン・コメディの設立は2015年)

創刊は2018年3月、年4回の発行。

受刑者専用求人情報誌『Chance‼』とは、非行や犯罪をして受刑した人の人生の立ち直りのための就職支援をするものです。
「絶対にやり直す」という覚悟のある人とそれを応援する企業のための求人誌なのです。

『Chance‼』を出すヒューマン・コメディは、株式会社であってNPOではありません。
なぜ、NPOではなくて株式会社なのか?

三宅晶子さんは『Chance‼』という受刑者専用の求人誌の存在意義を考えるに「いまの日本社会には必要不可欠なもの」と判断し、あえてNPOではなく株式会社にした言います。

株式会社ヒューマン・コメディに理念は、
「人は変われる」と誰もが信じることの出来る社会の実現が目的。
です。

具体的には、受刑者専用求人誌『Chance‼』の発行をとおして、非行歴や犯罪歴のある人と彼らを採用する企業の窓口業務をおこなうほか、採用後の就労定着支援サービスを行っています。

一般的に求人誌とは、仕事を探す人と企業とを結ぶだけで終わってしまいます。
ですが、ヒューマン・コメディは、採用されて就労した後も、その職場に定着するように支援を行っています。
そこまでやっている求人誌(企業)があるでしょうか?

アチキは三宅晶子さんにイノベーター(変革者)としての資質と起業家精神を感じます。

《なぜ受刑者専用求人誌が必要なのか?》

三宅晶子さんが受刑者専用の求人誌を創刊した背景には日本社会の現状が影響しています。
どうしていままで三宅晶子さんのような方がいなかったのか不思議です。

確かに受刑者専用の求人誌にはニーズがあり、また受け入れようとする企業もあります。
受刑者専用求人誌『Chance‼』は「生まれるべきして誕生した求人誌」と言えるでしょう。
ただし、そこにイノベーターとしての三宅晶子さんの存在があってこそですが。

日本社会は、犯罪件数(刑法犯)自体はこの20年近く減り続けています。
ですが、再犯率は年々上がっているのです。
刑務所に入った人のうち、実に48%が再犯者なのです。
つまり、2人に1人くらいの人が再び犯罪をして受刑者に逆戻りしてしまうのです。

その大きな原因として出所後の問題があります。
罪を犯して受刑者となった人が社会(娑婆)に戻ると何が待っているかというと?

・お金がない。(生活費がない)
・住居がない。
・家族に絶縁されて、頼る人がいない。
・仕事がない。または就職することが非常に困難である。

こうした中で携帯電話さえ持てずに、職を探すことがとても困難になります。
そもそも前科のある人を雇わない企業の方が多いのが日本社会の現状です。
職もなく、所持金もなくなると、生きていくために何かを盗まざるを得ない状況に追い込まれることになります。
(ただし、これをアチキは積極的に肯定しているわけではありんせん。)

ですが、仕事もない、住居もない、頼るべき家族も失った人が、いったいどうやって生きていけばいいのでしょうか?

その悪循環から抜け出すのは至難の業なのです。
この悪循環から抜け出すための手助けをするのが受刑者専用求人誌『Chance‼』であり、受刑者の更生への大きな助けを行っているのがヒューマン・コメディなのです。

《受刑者専用求人誌『Chance‼』の特徴》

受刑者専用求人誌『Chance‼』は全てのページ、全ての漢字にルビが振られています。
それは受刑者の中にはまともに学校教育を受けていない人もいるからです。

〈『Chance‼』に掲載されている情報は?〉

・求人を出している企業の社長の顔写真(必ず笑顔)
・社長自身の熱いメッセージ
・「全社身元引受OK」
・「全社寮完備」
・「採用できない罪状・病状」
・「応募可能なタイミング(例:出所まで1年を切った時点)」
など。

受刑者たちが一番知りたがっているのは、その会社にはどんな人たちが働いているのか、そして自分はそこで受け入れてもらえるのだろうか? ということです。
ここが一般の求人事情とまったく違うところです。

〈受刑者(応募者)に求められることは?〉

受刑者専用求人誌『Chance‼』は、受刑者のすべてを無条件で支援しようとするものではありません。
『Chance‼』には、受刑者専用の履歴書が付いているのですが、そこには「腹をくくらないと書けない項目」がたくさんあるのです。
つまり、「本気で更生しようとしている」人を支援しようとするものなのです。

どんな項目があるかというと、

「入れ墨の有無」
「指詰めの有無」
「入所回数」
「今回の犯罪歴」
「それ以前の犯罪歴」
「少年院・刑務所など施設内での自分の行い」
「刑期や懲役年数」
「反社会組織との関係」
「被害者にどう対応してきたか」
「再犯しないための決意」
など。

つまり、自分の罪と受けた刑を洗いざらい他人にさらすことが求められるのです。
自分の過去の罪と真っ向から向き合い、それを知った上で採用してもらうのです。

実は『Chance‼』で受刑者を受け入れる企業の社長の多くが過去に非行、または犯罪の経験があるのです。
過去に負けずに更生し、偏見ある社会に負けずに成功した人たちだからこそ、受刑者の立場や気持ち、支援の必要性を痛いほど理解しているのです。

三宅晶子さんは、求人情報を掲載したいという依頼があった際は、その企業の社長と出来る限り面談を行っているのです。
そしてさまざまな基準をもとに、問題ないと判断した企業だけを掲載しているのです。

三宅晶子さんがこのとき社長に出す質問は?
「どうして出所者を雇用したいと思うのですか?」というもの。
まさに核心をついた質問ですね。

これは単に人手不足だから求人を出すというケースを避けるためだといいます。
あとは、寮や社宅などの住宅支援と、希望があった場合に身元引き受けができるかどうか?
出所にあたり支度金の支給や給料の前貸しなどが可能かどうか?
などを確認するといいます。
そうしたことを最低条件としているのです。

雇用主が面接に応じれば、ハローワークを通じて刑務所の中で面接を行い、合否が決まる仕組みだというから驚きです。
まさに受刑者のためにある!

掲載企業は、建設業、飲食業、製造業、タクシー業など二十数社の求人を掲載している。
毎号、全国の刑務所や拘置所、少年院、更生保護施設などに配布するほか、希望があれば受刑者本人にも郵送している。

【受刑者にとっての女神】

実は三宅晶子さん自身が中学時代に、不良の道を歩んでいたとか。
タバコや酒、夜遊びに明け暮れていたといいます。
高校に進学するも彼氏と同棲をはじめ、学校へは行かず喫茶店でアルバイト生活。
そして高校退学。
退学後は、地元のお好み焼き屋で働いた。
そんなとき父親からデカルトの『方法序説』を渡され、それをきっかけに大学に進学。
早稲田大学を卒業後、貿易関係の会社や大手企業で働いていた。

そうした経験を持つからこそ、非行に走った人、受刑者の気持ちが痛いほど理解できるのだと思います。
そんな三宅晶子さんがなぜ受刑者を支援するための求人誌を創刊したのかというと、自律支援ホームでボランティアをしていたときに出会ったある少女の存在が大きいという。

その少女は育児放棄され、17年の人生のうち15年以上を施設で暮らしてきた子でした。
少女との出会いから半年後、手紙が届きます。
その手紙は福岡の少年院から出されたものだったのです。
少年院を出たら奄美大島の施設に戻ることになる。
そうなるとまた悪いことを繰り返すおそれがある。
そう思った三宅さんは、彼女と養子縁組をして身元を引き受けることにしたのです。
そのとき三宅さんは気がついたのです。
少女を社会復帰させるには「居場所」を作ってあげることが大事なのだと。
それがきっかけとなって株式会社ヒューマン・コメディを設立したのです。

ヒューマン・コメディには「過ちを犯したとしても、人は本気でやり直そうと思えばきっとやり直せる」という三宅さんの信念が込められているのです。

そんな三宅さんですが、自身の報酬は受け取っていないとか。
ヒューマン・コメディの収入は基本的に企業からの広告料。
経費として制作費や印刷費、配送料、スタッフの給料などがかかる。
黒字ではあるものの自身の給料を出していないという。

では、三宅さんはどうやって生活しているのかというと、
実は三宅さんは“納棺師”の資格をもっている。
納棺師として収入を得ながら、ヒューマン・コメディの経営もしているということだ。
まさにスーパーウーマンでありんす!!

ちなみに社名の「ヒューマン・コメディ」は、父親から贈られた小説のタイトルが由来だという。
同時に三宅さんの“思い”が込められている。

それは、

「すべての人間は、過去を価値に変えることができる」
「間違いを犯したとしても、そこから人の役に立つことをして、最期に笑って死ねたら、それも喜劇」

(情報は、東洋経済オンラインなどによる)

【チャンスのある社会へチェンジ‼】

世間では「コロナ差別」や「人種差別」が騒がれていますが、ここに別の差別が存在しています。

“罪を犯した人”への差別です。
受刑者を忌み嫌い、社会から遠ざけようとする差別です。

ただ、そうした気持ちも人間が本来持つ自己防衛本能から来ている面はあるので、しかたがないということもできます。
ですが、人間は他の動物たちと違って、理性的に思考することができる生き物です。

「一度犯罪をした者は、また犯罪に手を染める」
「犯罪者は一生犯罪者のまま」
「犯罪者は根っからの悪い奴」

そんな偏見があなたの中にありませんか?
もし、少しでもあるようなら考え直してみてはどうでしょうか?

たしかに人殺しをしたにも関わらず、罪を認めないで言い逃れしようとするような凶悪な人間もいます。
保険金のために家族を殺害したり、他人の所有物などを盗んだり、信じている人を平気で裏切ったり、そうした人間はいつの世でも必ずいます。

ですが、罪を犯してもその後改心し、人生をやり直そうとする人間もいるのです。
そうした悪事を認め反省しない人間と、反省し悔い改めて立ち直ろうとする人を同等に扱っていいものでしょうか?
それは社会全体が、立ち直ろうとする人のチャンスを握り潰すことではないでしょうか?

刑期を終えたということは、法的には、罪を償ったことになります。

考えなければならないのは、人間は人生のどこかで必ずと言っていいほど間違いを犯すものだということです。
「間違い」とは「刑法」に触れることだけではありません。
あるいは行動をしていなくても心の中で「恨み」「嫉妬」「憎しみ」「怒り」などのマイナスの感情を持ち、他人に対して発信していることはよくあることです。
心の間違いまで指摘されたら、逃れられる人は皆無でしょう。

重要なことは、罪を反省し、悔い改め、立ち直ろうとする人に対しては「立ち直りのチャンス」「再起するチャンス」を与えてあげることではないでしょうか。

それが人間社会にある本当の平等だと思います。
チャンスのない社会は、閉塞的で排他的で、憎悪が取り巻く、生き苦しい世界です。

アチキは悔い改めている人には、本当に罪を反省している人には人生の再起を与えることが必要だと思うのです。
ただし、罪を犯したにもかかわらず、反省も謝罪もしない人間には断固、罪の追求と処罰を望みます。

ポイントは、「罪を素直に認めているか」「反省しているか」です。

〈受刑者を忌み嫌う人へのメッセージ〉

喜劇王チャップリンの言葉。

「思いやりがなければ、残るのは暴力だけである」
「心に愛を知らぬ者だけが、憎しみあうのだ」

【罪を犯したすべての人へのメッセージ】

人は誰でも、一歩間違えば加害者になる可能性がある。
人は誰でも、人生のどこかで人の道を踏み外すことがある。
人は誰でも、心の中で「人を憎んだり」「人を恨んだり」することがある。

反省している人間を許さない社会は、地獄です。
天国的な世界は、反省している人を許す社会です。

人間は誰も過去を変えることはできないけれど、未来は変えることができる。
過去の行動や結果を変えることはできないけれど、心の中の思いは変えることができる
人間は過ちを犯しやすいものだが、生まれ変わることもできる存在でもある。

非行、犯罪、それらは人生の中の一つの経験として捉えることができる。
そして、その経験から教訓を掴んだ者は、他者に対してなにかを与えられる存在となれる。

「どうせ俺なんて・・・」
と思わずに、
「きっと未来は変えられる」
「心の思いは変えられる」
そう信じて、悔い改めと共に新しい自分を創ることが大切である。

どうか、社会がそうした真に反省し、人生をやり直そうとする人に対して寛容であってほしい。
温かく見守って欲しい。

最後に、喜劇王チャップリンの言葉とアチキからのエールを贈ります。

〈チャップリンの言葉〉

「悲劇とはクローズアップされた人生である。喜劇とは距離を置いて人生を見ることだ」
「人生はもっと美しく自由であり、もっと素晴らしいはずだ」

罪を犯して反省した人たち、立ち直ろうとする全ての人たちにエールを贈る!!

最後までお読みいただき、ありがとうござりんす!


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