『ナチスはグローバリズムではない!【前編】~ナチズム(ナチス)とグローバリズムの違いとは?~』

はじめに

タイトルを見て、当たり前じゃないか! と思いましたか?
でも、あなたはナチスとグローバリスト(DS)の違いを説明できますか?
ナチスのような独裁主義とグローバリズムの違いを理解していますか?
完璧! と思う方はこの記事は不要でしょう。
何が言いたいのか、と興味をお持ちの方は、どうぞ読み続けて見てください。

今回の内容は某有名国際情勢アナリスト(現X動画配信者)の方のある価値判断(発言)に対する反論となります。
某有名国際情勢アナリストの方が誰なのか?
元ユーチューバーであり、現X動画配信者と言えばお分かりかもしれません。

初めに前置きしますが、その方のやっていることすべてを否定するものではありません。
今回、反論記事とする“内容”は、その方の特定の発言(情報発信)に対するものです。
どんな発言なのかは、その方の発言を実際に聞いた方ならお分かりかと思います。
某国際情勢アナリストの方が明かに間違った価値判断(間違った発言)をしているので、その影響力を鑑みて、間違いに対する反論を勝手に行うことにしました。

その間違いに関する判断は非常に難しいものであるとは思いますが、日本を含む世界の政治において非常に大切な観点です。
なによりも、反グローバリズムを掲げてDSに抵抗するならば、「正しく理解」することは必須であります。
そこに間違いがあっては真の抵抗力を生みません。
よって、ご意見番を名乗る反グローバリズムの立場から、歪んだ価値判断に対して反論させていただきます。
ただし、国際情勢の発信においては功績があると思っています。
ですが、最近、“間違い発言が多々見られる”のでこれは見逃せないと判断したということです。

また、この問題は私自身の問題にも当てはまります。
DSが描く地球統一政府を「中国のような共産主義社会」「ナチスのような独裁社会、全体社会」と表現してきたからです。
私自身はきちんと思想において線引きしていますが、もしかしたら私の記事を読んだ方の中にも“誤解”されて受け取っている方がいるとしたならば、私の責任でもあるからです。
ですから、私自身の問題としても、ここではっきりとした価値判断を提示したいと思います。
すでによく理解している、と言う方はこの記事はお読みにならなくてもけっこうです。
(本当は簡単な話なのですが…)

ナチスはグローバリズム?

《問題提起!》

まず読者の方に質問します。

質問

「ナチスドイツはグローバリズムですか?」
「ヒトラーはグローバリストですか?」

某国際情勢アナリストの方がまだユーチューバーであった頃、フリップ(説明図)に「ナチス=グローバリズム」として解説していました。
これに異を唱える方がいたことを私は知っています。
私も同じように“違う”と思いました。
みなさんはどう感じたでしょうか?

《各主義の説明》

まず、この問題となる前提の知識を示します。

〈独裁主義とは?〉

Wikipediaから引用

全ての権力が一人、またはこの人のグループに集中する統治思想。
政治学では、独裁主義は専制政治の一形態と見做し、単一の実体が絶対的な権力を持って政府を運営しながら国家を統治することを指す。

通常、その実体は個人、つまり専制で独裁的な君主である。
しかし、一人以上になっても独裁的な政治体制を維持し、また人民の尊敬を利用して権力が特定のグループに集中する国も独裁国家と呼ばれる。

つまり、「独裁主義」とは、特定の人物または特定の集団に権力が集中する政治体制のこと。
特徴は、カリスマ性や尊敬などを利用して民主的な手法を悪用し、従来の権力構造から統治能力を奪い、個人もしくは特定の集団が強制的権限を持つ政治体制のこと。

★補足:

「ファシズム」という言葉があるが、ファシズムとは「独裁主義」のことを指す。
大衆を洗脳し、個人の自由や人権を無視する全体主義をかかげ、反対派には弾圧を加えて、独裁を維持する。
強制的権力と洗脳によって独裁政治をする体制。

〈全体主義とは?〉

Wikipediaから引用

全体の利益を第一とし、個人の価値は全体に奉仕する点でだけ認める(政治上の)主義。
個人の自由や社会集団の自律性を認めず、個人の権利や利益を国家全体の利害と一致するように統制を行なう思想または政治体制である。対義語は個人主義である。

通常、この体制を採用する国家は特定の人物や党派または階級によって支配され、その権威には制限が無く公私を問わず国民生活のすべての側面に対して、可能な限り規制を加えるように努める。

つまり、「全体主義」とは、個人の自由を否定し、個人の人権や権利を奪い、個人が全体に奉仕または隷従する思想または政治体制のこと。
特定の集団や独裁者による強権が発動され、社会全体としては個人の自由や人権、多様な価値観に際限のない制限を課す思想または統治方法のこと。
要するに、個人の犠牲の上に全体の利益を実現する体制のこと。
独裁主義は全体主義体制になり、全体主義は独裁主義体制の上に築かれる。

〈共産主義とは?〉

Wikipediaから引用

財産の共有を目指す主義。
マルクスが唱えだした、生産手段の社会的共有により、階級や搾取のない、万人の平等を目ざす、科学的な社会主義。

財産を私有ではなく共同体による所有(社会的所有)とすることで貧富の差をなくすことをめざす思想・運動・体制。

19世紀に「共産主義」の主要な潮流となったカール・マルクスやフリードリヒ・エンゲルスらは、資本主義による社会の私物化に対し、土地や工場などの主要な生産手段の社会的所有を主張した(マルクス主義)。
なお、彼らは「共産主義」と「社会主義」をほぼ同義として用いた。

つまり、「共産主義」とは、資本主義による貧富の差を否定し、経済的な平等を目ざした思想または政治体制。
しかし、万人の平等を謳っているが、現実は一部の支配階級による専制政治体制となる。
個人の努力や起業家精神を否定し、全体主義的な発想から社会を平等にしようとする思想または政治体制。
共産主義は独裁と強く結びつく。

〈グローバリズムとは?〉

Wikipediaから引用

国を超えて地球全体を一共同体としてとらえる考え方。地球主義。
地球全体を一つの共同体と見なして、世界の一体化(グローバリゼーション)を進める思想である。
字義通り訳すと全地球主義であるが、通例では、他国籍企業が国境を越えて地球規模で経済活動を展開する行為や自由貿易および市場主義経済を全地球上に拡大させる思想などを表わす。

つまり、地球を一つまたは全体とする“全体主義”
その本質は独裁
自由貿易を認めるようであるが、実態は特定の組織(DS企業など)に利益が集まるようになるため、自由主義とは真逆の思想。
国際組織によって地球全体主義を広めようとし、国家の廃止を目指し、一部の者たちによって全世界を支配(コントロール)しようとする思想及び統治システム。
代表的な表現は、「ディープステート(DS)」。
その他にもこの思想の標榜者を「国際共産主義」「国際金融資本家」などと呼ぶ。

《ナチスとグローバリズム(グローバリスト)の違いとは?》

〈ナチスはグローバリズムなのか?〉

ナチスはグローバリズムなのか?
という問いに対する、ご意見番の回答です。
(こんな簡単なことをいまさら論じることが馬鹿らしいですが…)

ナチスはグローバリズムなのか?
「別のもの」です。
ナチスはグローバリズムではありません

ナチスに関しては通常「ナチズム」と表現することが常識です。
政治結果として出現する社会としては非常に似ていますが、同じではありません。
ですから、ナチスをグローバリズム(グローバリスト)の概念の中に入れることは政治思想としての間違いです。
ナチス(ヒトラー)の“ナチズム”とDS(ディープステート)の“グローバリズム”は出てくる政治的結果が“非常に”似ています。
ですから表面だけ見たならば、見分けがつかないのもしかたがないとも言えます。
ですが、“本質(根源)”において違いがあります。

◆ナチズムとは?(一般的解釈)

「ナチズム」とは、民族を軸にして国民を統合する“国民主義”とマルクス主義や階級意識を克服して国民を束ねる“共同体主義”を融合したもの。
ナチズムを日本語で表現すると、「国民社会主義」「民族社会主義」などと呼ぶ。
ナチスドイツは「ファシズム」ともいわれるが、本来「ファシズム」とはイタリアのファシスト党のイデオロギー(ファシズム)であるが、当時敵対していたスターリンがナチズムはファシズムの一種だと呼んでいた。
ナチスドイツ(ナチズム)とは、ナショナリズムの一形態でもありますが、最悪のナショナリズムと言ってもいいでしょう。

ご意見番的見解

ナチズムとは、ドイツ人(ゲルマン民族)こそが地球上で一番優れた民族であるという選民思想に似た思想の上に成り立つもの。
優れたゲルマン民族が他の劣った民族を支配してもいいという傲慢で差別的な政治思想。

〈ナチスとグローバリズムの共通点とは?〉

ナチズムとグローバリズムの違いを説明する前に「共通点」を指摘します。

共通点は、

・独裁主義(特定の人物または集団に権力が集中する)。
・全体主義(全体の利益最優先を取るため個人が犠牲になる)。
・個人の自由や人権が奪われる。
・貧富の差が広がる。
・民主主義を実質的に否定する。
・民主主義を悪用する。
・それぞれの民族的伝統や多様な価値観が破壊される。
・支配する側と支配される側の関係が固定される。
・情報統制または洗脳をする。

という点です。

つまり、特定の人物や集団に権力が集中し、民衆は自由や人権を奪われた“隷従状態”となることは同じなのです。
ですからナチズムが世界に広まっても、DSによって世界統一政府が樹立されても、独裁的な世界、全体主義的な社会という意味では“同じに見える”のです。

〈ナチス(ナチズム)とグローバリスト(グローバリズム)の違いとは?〉

ナチス(ナチズム)とグローバリスト(グローバリズム)の違いとは?

1.出発点の違い

ナチス(ナチズム)とグローバリスト(グローバリズム)の違いは思想の根源(出発点)にあります。
ナチスの政治思想(ナチズム)の帰結は“自民族”の世界的拡大であり、“ナチスドイツ(自国)”の世界的な膨張を意味します。
いわばナチスドイツによる世界統一あるいはヨーロッパ統一なのです。

一方、DS(グローバリスト)の思想的根源(出発点)は、“ボーダーレス”
つまり、“国境を無くす”ことで地球全体を一つの共同体とすること。
国境を無くすという事の真の意味は、「主権国家の廃止」です。
主権国家がひとつ残らず消滅するということです。
国連などのDS組織が打ち出している政策や活動は結局のところ主権国家の概念を破壊する力となっているのです。

どちらも世界を支配するという野望は同じであってもその根本に違いがあるのです。
他国を侵略し、自国の支配を世界的に拡大しようとするナチズムに対し、グローバリズムとはすべての主権国家を消滅することで世界征服を実現するものという違いがあるのです。

2.見える支配者と見えない支配者

2つめの違いは、どちらも世界を独裁によって支配する野望を持ちながら、その権力者の姿が違っています。
ナチズムにおける権力者は、「目に見える権力者(皇帝、総統など)」であり国家権力の頂点に立つものです。つまり、名実ともに“権力の座”についているのです。
しかし、グローバリズムにおける権力者は、「目に見えない権力者」です。その名の通り深い海底に潜みながら操り人形を使って“代理支配”するのです。現実の国家の中において公式な最高権力者の座についてはいません。
この違いがあります。

3.単一構造と多重構造

ナチスの形態は独裁者または独裁集団による“単一なる統治”によりますが、グローバリストは“多重構造”となっているところが大きく違う点です。
ナチスの権力構造は、結局のところヒトラー及びナチス党に集約しますが、グローバリズムにおいては最終的な決定権者が誰なのかが“ほぼ見えない構造”になっています。
なぜかと言えば、グローバリズム(グローバリスト)は、「代理支配」をするからです。
“操り人形”を使うと言ってもいいでしょう。
最終的な権限を持つものが表にでてこないで、代理を立てる(操り人形を使う)ことで支配を生む構造になっています。
しかもその構造は何重にもなっているため、いくつ重なっているのかが見えないようになっています。
だからこそ、ディープステートと呼ばれるのです。

肝心な点は、ナチスのような独裁はカリスマ的な独裁者を消せば独裁勢力が消滅しますが、ディープステートのグローバリズムでは、まるで孫悟空の分身の術のように代理者(操り人形)が出現するので、最終的または総合的にその力を消し去ることが至難の業なのです。
どちらが高度な構造であるかと言えば、あきらかにグローバリズム(ディープステート)なのです。
(この場合の“高度な構造”とは、「悪い意味」で使用しています)

〈ナチズムとグローバリズムの優越〉

ナチズムもグローバリズムも共に独裁主義で全体主義を内包していますが、どちらが優劣するのかという議論があります。
結論を言えば、ナチズムよりもグローバリズムの方が圧倒的に高度で複雑な手法を取っています。
(グローバリズムをほめたたえたくて言っているのではありません)
グローバリズムは、ナチスのナチズムやイタリアのファシズム、そして中国の共産主義などを包み込むことが可能なのです。
なぜならば、現実の権力の座に立たず、裏側から権力の座または影響力のある者たちを操る構造は一代または一世代で終らないからです。
DSの存在は見えないという特徴と血縁や経済的利害で強く結びついています。
つまり、複数の存在が同じ目標を掲げて共同体(集団)を形成し、なおかつ裏側に隠れることで失敗の責任を負わず、権力の座からの転落を避けて、支配力を永続することができるということです。
ナチズムのように表の権力者として存在すると、何らかの失敗や転落をどうしても避けられないのです。
しかし、見えない存在となることで支配する影響力を維持することが可能となるのです。
よって、理論的にはグローバリズムはナチスや中国共産党政府などを包み込み、それらを裏から支配することが可能なのです。
一方、逆はほぼ不可能なのです。

軍事力を増強し、軍事力によって他国を支配するよりも、兵器の供給側に回ったほうが支配力は永続性と影響力が上になるのです。
ナチズムでは、世界経済を牛耳ることは至難の業ですが、グローバリズムであれば世界の経済を支配し、それによって世界の主権国家に影響力(支配力)を発揮することが可能なのです。
DSはこれらを深く理解しているのです。

ちなみに、ナチスドイツ(ナチズム)を中国共産党政府(共産主義)に置き換えて比較してもほぼ同じとなります。

ですから、国際政治を語る上でも国内政治を語る上でも、ナチスをグローバリズムと定義するようでは、「政治を語る資格はない」と言えるのです。

『【後編】~某国際情勢アナリストへの反論!~』につづく

最後までお読みいただき、ありがとうござりんした!


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