『プロボクシング界のタトゥー(入れ墨)是非論争にもの申す!【前編】 ~プロボクサーによるタトゥーの是非を問う!~』

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチでタトゥーを露出!

《WBO世界戦で井岡一翔がタトゥーを露出させたことが物議を呼んでいる》

2020年大晦日に行われたWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチで井岡一翔がタトゥー(入れ墨)を露出させた状態で試合をしたことが世間で物議を呼んで論争になっている。

「論争」と聞くと、ご意見番の出番?かな?
ご意見番は、引っ込んでろ~!
という声も聞こえるが、若いときに武道を経験し、いまだに格闘技を観戦しているアチキは、首を突っ込まね~ではいられないでありんす!
無駄口はこれくらいにして・・・。

井岡一翔は試合前、JBCスタッフ立ち会いのもとファンデーションを塗って隠す措置を施したが、汗などで薄れたためタトゥーが露出した。
試合は止められることなく、8回にTKO勝ちで井岡一翔が2度目の防衛に成功して終わっている。

日本ボクシングコミッション(JBC)のルールでは、「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者」は試合に出場できないと定められている

《WBO世界チャンピオンの井岡一翔がタトゥー禁止ルール改正を希望!》

井岡一翔は、海外メディアの取材に応じ、タトゥー禁止のルール改正を希望した。
井岡は「タトゥーを隠すのは本当に意味がなく、このルールを廃止したい」「JBCが日本で闘うことを禁じるなら、海外で闘う」と語った。

日本ボクシングコミッション(JBC)の対応は?

《日本ボクシングコミッション(JBC)の対応は?》

日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長がマスコミの取材に対してこう答えている。

「ルール違反は明らかで、現在、対応を検討中です」

だが、ある記事によると、ボクシング界は近年、「入れ墨禁止ルールを撤廃する方向」に進んでいる傾向にあったという。
もし、それが本当なら矛盾する対応とも言える。

ここで問題なのは、「入れ墨がルール違反なのを分かっていてなぜタイトルマッチのリングに井岡を上げたのか?」ということだ。
そこには、プロボクシング界の苦悩がある。

《プロボクシングの試合を開催しているのはプロモーター》

プロボクシングの試合を開催しているのはJBCではない。
プロモーターがテレビ局と組んで行っているもの。
プロモーターとは、基本的にボクシングジムです。
プロモーターの役割は契約選手のマッチメイクをすることです。
ですからポスター等には「主催○○ジム」と興行主が記載されています。

例えば、大手ジムの「帝拳」がプロモーターならば帝拳ジムが試合会場や試合をする選手を決定していくのです。
ですから、JBCが単独で井岡をルール違反として試合を中止させる処罰を取れなかった理由がここにあります。

つまり、プロボクシングとは興行なのです。
スポーツビジネスであるので、興行主に断りもなく独断では処罰できなかったというのが実状です。
そこを世間の人は理解したほうがいいでしょう。

彫り師の団体「日本タトゥーイースト協会」が抗議!

《彫り師団体「日本タトゥーイースト協会」が抗議文を発表》

JBCが井岡選手に対して「処分」を検討していることについて、彫り師団体「日本タトゥーイースト協会」が抗議文を発表した。
日本タトゥーイースト協会が発表した内容は以下のとおり。

「井岡選手への処分について」というタイトルの文章を発表。
「『入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者』を試合出場の欠格事由をするJBCのルールは、以下の2点で不合理なものです」

1.
「世界チャンピオンである井岡選手と『反社会的勢力』とのかかわりがあると言わんばかりの主張は、井岡選手を侮辱するものです」

2.
「これは不合理なダブルスタンダードというほかありません。国籍が日本か否かによって、試合中に入れ墨を露出してもよい/悪いが決められるといのは、ボクサーの個人としての尊厳をあまりに軽んじるものです」

さらに、

「個人が自らの『信条ないし情念』に従って入れたタトゥーについて、対外的な場での露出を禁じることには、何らの合理性も認められません」と強く抗議している。

(情報は、デイリーより)

彫り師の団体の抗議に対する反論

彫り師の団体日本タトゥーイースト協会の見解にご意見番が反論する。

1の「世界チャンピオンである井岡選手と『反社会的勢力』とのかかわりがあると言わんばかりの主張は、井岡選手を侮辱するものです」というものは、論点を捻じ曲げたものでしかない。
JBCは決して井岡選手を侮辱してはいない。
ただ、「ルールを守れ」と言っているだけだ。

ルールがあってルールを守るのはスポーツマンシップであって、プロ選手ならば当然のことだ。
あえて言えば、ルールを知っていてルールを破ることは人間性が欠如していると言われても仕方がないことだ。
ましてやチャンピオンがやってはいけないことだ。

2の「国籍が日本か否かによって、試合中に入れ墨を露出してもよい/悪いが決められるといのは、ボクサーの個人としての尊厳をあまりに軽んじるものです」というものも、論理を捻じ曲げたひねくれものの論理にしか過ぎない。

JBCという団体は日本のボクシング団体であるから日本人選手と外国人選手では分けて考えることが当たり前!
日本の団体が外国人に対してルールを押し付けることはできない。
だが、チャンピオンという称号とチャンピオンベルトを与える立場にあるJBCがルールを日本人に主張するのは当然でしかない!

結局、彫り師の団体の主張は、まったくもってズレた論理を展開しているにすぎず、合理性を欠いているのは日本タトゥーイースト協会の方だと言っておく。

ちなみにアチキは知り合いに、関東ではその名を知られた彫り師の人がいたが(だいぶ前に帰天している)、そんな主張は言わなかったと思うでありんすよ!

世界チャンピオンたちの意見は?

《WBAライトフライ級スーパー王者の京口紘人選手の意見》

WBAライトフライ級スーパー王者の京口紘人はTwitterに以下の内容をツイートした。

「見た目だけで判断するのはどうか?」
「刺青が入っているけど良い人いっぱい知ってる。人間性を否定してる人は一体なんなのか?外見見た目だけでは本質はわからない」

《WBAスーパー&IBFバンタム級王者の井上尚弥選手の意見》

WBAスーパー&IBFバンタム級王者の井上尚弥は、上記の京口選手のツイートに対して以下の反論をツイートした。

「タトゥー刺青が『良い悪い』ではなくJBCのルールに従って試合をするのが今の日本で試合をする上での決まり事。タトゥー刺青を入れて試合がしたいのならルール改正に声をあげていくべき。まずはそこから」

井上尚弥は、「ルールがある以上守らなければならない」と反論した。

《元WBA世界ミドル級王者の竹原慎二氏の意見》

元WBA世界ミドル級王者の竹原慎二氏は、自身のYouTubeチャンネル「竹原テレビ」でこう語っている。

「俺の意見としてはチャンピンになって入れるのは駄目でしょ。チャンピンはみんなに尊敬される」

「ルールで『隠して出ろ』となっていたんだから、しっかり隠して出ないと。もしこれから『海外だったらできるじゃないか』と言うのだったら、海外でやればいい。日本は無理なんだから」

プロボクサーのタトゥーに関する世間の反応は?

《タレントの武井壮の意見》

タレントの武井壮は、Twitterでこの論争について、こう意見をツイートした。

「日本には罪人への刑罰として『刺青』の文化や、反社会的勢力の方の多くが刺青をしている事から嫌悪感がまだあるのは仕方ないと少し思う」

《ネットに寄せられた世間の人のコメントは?》

『現代ビジネス』の記事に寄せられたコメント

以下引用

「そもそも墨入ってたら試合させちゃいけないルールなのにリングに挙げたJBCが悪い。試合前のボディチェックで墨が丸見えなの分かってただろ。
客から金取って試合成立させた後に井岡を処分ておかしいだろ。
ゴング鳴る前に井岡失格で田中新チャンピンにすればルール通りで問題なかったんだよ」
(原文のまま)

「興行はスポンサーの兼ね合いもあるからJBCはしっかりとファンデーションで隠す様に指示していたはず。
ルールであるのに剝がれやすいものをつけていた井岡が悪い。
さらに井岡は確信犯である様な発言を行い、現行ルールが海外と違うと言い始めている。
JBCは日本の所管団体であり、そこに所属するものは今現在ルール改正に動いていようと何だろうと従わなければならない。それが出来ないなら離脱して自分の責任でやれば良い。
井岡は子供じみた発言してるだけ」

井上尚弥の言ったことが全てなんだよな。井岡はタトゥーを認めてもらいたいのであれば、ルールを守った上で改正を訴えていくべきだった

「むしろ失敗したのは井岡のほうだろう。
自分がショービジネスの世界にいる自覚がまったくなく、自分の得てるお金がどこから来てるのかわかってない。
日本では刺青に反感を持つ人が多く、そういう人も含めてボクシングを見てくれなければ自分は今と同じ額は稼げない。
改正しなければ海外でだけで戦うという脅しもしたようだが、残念ながら井岡のような軽量級を日本以外でビッグマッチとして扱ってくれると思ってるのだろうか」

「基本的には、ルールを守る事が前提。
色々な意見があるが、根本は試合に出したJBCが悪い。
今回に限っては簡単なこと井岡に刺青があるのは周知の事実。
リングに上がる前にルールだから隠さないと試合出来ませんよと注意して見えたら試合をさせなければ良かっただけ。
どこかで金儲けを考えている汚い大人がいたんじゃないでしょうか。
金儲けをした後からこの問題を出すのは卑怯ではないでしょうか」

『イーファイト』の記事に寄せられたコメント

以下引用

「タトゥーは法律で禁止されてるわけではないし、入れるのは個人の自由。
日本ではまだまだ馴染みは薄いし、受け入れる人は少ない。そういったことを考えた上で入れるのなら、どうぞご勝手にって感じです。
タトゥーを入れた後で外国人は認められてるのにとかもっと柔軟になるべきだとか言っても、それは勝手すぎる。
ルールに明確に記載されてる以上、違法は違法、そういった普及活動がやりたいなら、海外で戦うなりリング外でやるなりしてください」

「理由はどうあれルールを守らないとダメ。
大麻が合法な国もあれば、そうでない国もある。
ルールを守れない奴は、その業界で永久追放されても仕方のないこと」

それは入れる前からわかってた事やろ。日本ではタトゥーやろうが入れ墨やとうが絵や文字の入った人は公衆の集まる場所には入れない事があるって。これは差別じゃなくて区別!」

「どんな主義主張を持とうが結構だが、それがルールを破って良い理屈にはなりえない。
ルールは守れ、嫌ならルールを変える努力をしろ。
リングの上と同様にルールに対して正々堂々と戦うべし。
こういうやり方は卑怯」(原文のまま)

後編に続く。

最後までお読みいただき、ありがとうござりんした!


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