『タクシー会社ロイヤルリムジン社の金子社長にもの申す!』

【タクシー会社ロイヤルリムジン社の緊急措置は美談ではなかった?】

〈タクシー会社ロイヤルリムジン社の緊急対策〉

先週話題となり、アチキのブログでも紹介した(記載は削除した)、タクシー会社ロイヤルリムジン社の新型コロナウイルスの影響による経営悪化の緊急措置が“美談”として報道された。
がっ!
実は“美談”ではなかった!
という報道があった。
今回はこのタクシー会社について、もの申したい!

間違って“美談”と報道されたロイヤルリムジン社の緊急処置は、
タクシー会社のロイヤルリムジン社は、新型コロナウイルスによる自粛要請によって客がいなくなり、経営状況が悪化したことでグループ会社の従業員約600名を解雇した。
解雇は苦肉の策で、一時的に“解雇”し、従業員が失業保険を受け取れるようにして、従業員の生活を守るためのもの、そう報じられた。
その理由は、失業保険をもらう方が、売り上げの落ちた歩合制のタクシーの給料よりも収入が多いからだ。
経済が回復したら再雇用する、というウルトラC的な処置を取ったことで世間の注目を浴びた。

だが、美談ではなかった疑いが濃厚なのだ!!

〈ロイヤルリムジン社でなにがあったのか?〉

ロイヤルリムジン社では、従業員を前に、金子建作社長がこう述べたという。

「非常に重い決断をしました。4月7日付で全員を解雇するという形をとらせていただきました」
「本当に今回は申し訳ありませんでした」

と頭を下げたという。

社員の中には「将来どうなるかじゃなくて、いまお金が足りない」と声を上げたものもいたが、金子社長の決断に理解を示す人もいて、拍手が沸き起こったという。

〈世間の評価は?〉

会社側が休業手当を支払うよりも、解雇して失業保険を受けた方がいいと判断したこと、感染被害が終息すれば再雇用したいと説明があったことで、可能な限り従業員の生活を守りたいと考える金子社長の苦肉の策と受け取り、評価する反応が多くみられた
だが、それに対して従業員たちが声を上げた。

〈ロイヤルリムジン社の問題点1〉

一報ではロイヤルリムジン社の会社側の情報のみ伝わった。
その後、すぐに従業員側の声が聞えてきた。

従業員たちによれば、会社から事業を一時休止することが突然発表され、退職合意書にサインするように求められたのだという。
(通常、会社が倒産するときなどは突然通告されるものです。倒産や事業放棄などのマイナス情報を従業員に対して事前に説明されることはありません)

では、なにが問題なのか?
要するに「解雇」ではなく、「退職勧奨」という形式が取られたことだ。

「解雇」ならば失業保険を直ぐに受給できるが、「自主的な退職」または「退職の合意」となると失業保険を受けられるのは約3ヶ月後となってしまうことになる。
「解雇」と「単なる退職」の差は雲泥の差となる。
「解雇」なのか「単なる退職」なのか、ということは根本的な問題なのだ。

今回のロイヤルリムジン社の金子社長の緊急措置が社員の生活を守るためならば「解雇」でなければならない
だが、もし「自主退職」を勧告しているとなると、単に従業員を切り捨てた経営者の身勝手で無責任な対応ということになる。

労働基準法では、会社側が解雇する場合は、少なくとも解雇する30日前に予告することが必要とされる。
即時解雇する場合は、30日以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払いが義務づけられている。

また、経営悪化による人員削減をする場合は、退職金を上積みするなどして労働者が納得できる条件を提示した上で「辞めてもらう」のが普通である。
しかし、自主退職および合意にもとづく労働契約の解約(退職)の場合は、このような義務はない。

はたしてロイヤルリムジン社は解雇する従業員に対して退職金を払うのか?
報道にはなかったので、おそらく退職金はないのだろう。(予想)

実際のところ、退職金を払う余裕など会社側にないと思われる。

要するに、ロイヤルリムジン社の金子社長に、労働基準法の「労働者保護の規定」をかいくぐって従業員たちを見捨てたことの疑いが出ているのだ。

〈ロイヤルリムジン社の問題点2〉

新型コロナウイルスによる経済被害が収まったときに再雇用は本当にあるのか?
ということが次なる問題点となる。

果たして再雇用の約束はなされているのか?
再雇用の約束は曖昧のようだ。
再雇用される時期が不明確であり、履行される保証はないと報道されている。

ただし、時期に関しては不明確なのは仕方がない。
新型コロナウイルス感染がいつ終息するのか見通しが立っていないからだ。

だから、これは金子社長の信義に基づいて従業員と固く約束をするということでしかないのだ。
つまり、金子社長への信頼とそれを裏切らない金子社長の義の心があってのことだということだ。
というのも、法律的には問題だらけだからだ。

再雇用を約束して解雇し、失業保険を受け取ることは違法であり、その違法性が認められれば解雇された従業員が失業保険を受け取れなくなる可能性があるからだ。

もしかしたら、再雇用のことを金子社長が明確に言わないのは、秘策なのかもしれない。
明確に再雇用を約束して解雇して、それがハローワークに知られ、従業員が失業保険を受け取れなくなる事態を避けるために“あえて再雇用を明確に言わない”のかもしれない。
秘密の事柄として従業員に約束しているのかもしれない??

さらに問題点は、再雇用されたときに「元の労働条件」ではなく、低い賃金に買いたたかれてしまう可能性があるということだ。
経営者側からすると新型コロナウイルス被害を逆手にとって再雇用した従業員の賃金を低くすることで経費を抑えることになり、経営状況を改善させることができる。
再雇用されたとしても従業員とすれば不満でしかなく、生活に困窮する可能性が高くなる。
これでは従業員の生活を守るという趣旨に反する。

今回の再雇用の場合は、法律的には不透明でしかないので従業は不安でいっぱいでいることが予想される。

〈ロイヤルリムジン社の緊急措置を検討する〉

本来、失業保険を受け取ることだけを目的とするのなら、不正受給となる可能性が高い。
だが、史上まれに見る感染症による経済的打撃。
あくまでも苦肉の策であり、緊急措置としてアチキはギリギリゆるされるのではないかと記事で示した。(削除済み)

法律的に見るとロイヤルリムジン社の解雇措置が、従業員に対して経営情報を伝え、十分な説明をし、判断する時間的猶予を与えたのか、ということが大切なポイントだ。

もし、そうではなく従業員側から見て、「なんで?」「よくわからない?」という状況のなかで、退職に合意するサインを即時強要するようであれば大いに問題である。
上がってきた従業員の声はそのような状況であったようだ。

問題点を整理する。
1.「退職勧奨」なのか「解雇」なのか?
2.「再雇用」は確実に約束されているのか?

付随する問題として、
3.この状況で解雇された場合、本当に失業保険を受け取れるのか?
4.再雇用されたときに以前と同じ賃金などの労働条件が守られるのか?

そして最大の問題は、
(これは報道では一切見られない問題点です)
ロイヤルリムジン社が今後、存続できるのか?

今回のウルトラC的対策が本当に従業員の生活を守るためであったとしても、ロイヤルリムジン社が存続していなければまったく意味はなくなる。

【金子社長の思惑(考え)はいかに?】

世間がこの報道をしたときは、従業員の生活を守るための緊急措置として苦肉の策を金子社長が取ったと、美談として受け止めた。

本来法律に照らし合わせれば、問題だらけの処置だが、新型コロナウイルスという人類が経験したことのない世界的緊急事態における緊急措置としてなされたと受け止めた。
あくまでも従業員の生活を守るために考え出された苦肉の策として受け止められた。

だが、金子社長の真の思惑(心)はいかにあるのか?

アチキが意見を言うとすると、
法的には問題があったとしても、
本当に従業員を思っての対策ならば、本気で従業員の生活を守ろうとした措置ならば、“良し”としたい。

新型コロナウイルスによる経済被害は深刻という言葉では表現が足りないくらい深刻すぎる事態だからだ。
つまり、平常時の法をもって「戦争時」や「世界的感染症蔓延による経済危機」を裁くことに疑問をもっているからだ。
甚大な被害をもたらす緊急時には「緊急時の法」をもってすべきだと考えるからだ。

ただし、これをもって詐欺、窃盗などの違法行為を許そうというのではないのでお間違いなく。

あくまでも生きている人間を守るためにどうしても必要不可欠と思われる事態が法的にグレーであっても、そのときに優先すべきは人の命と生活であって、平常時の法だけで対処することは難しいと考えるからだ。

もちろんソクラテスが言ったように「悪法も法なり」でどんな事態でも基本的に法律に反してはいけないという倫理は守るべきである。
基本的にはそうである。
そうしないと悪意を持った人間がでてくることを許してしまう。

なにが問題かというと、実に難しいところなのだが、「動機」である。
つまり、金子社長の考えが本当に従業員を守ろうとしたことなのか、腹の底では経営を投げ出したくて取った手段、または従業員を見捨てることで自らの責任を放棄しようとしたことなのかということだ。
その次にその対策が本当に有効なものなのか?
ということが問題なのだ。

すでに述べたがロイヤルリムジン社の金子社長がとった緊急措置は極めて黒に近いグレー(黒と言ってもいいのだが・・・)なのだ。
だが、これが本当に美談なら、世間は見逃してくれるのではないかと思う。

このロイヤルリムジン社の問題には、実は世間一般の人がよく知らないタクシー業界の体質と慣習が絡んでいる。
(タクシー業界全体については、近いうちにもの申すことを予定している)

果たして金子社長の心は如何にある?
金子社長は記者会見でもして、心の内をあかしてみてはいかがでしょうか?

また、ロイヤルリムジン社の取った措置が不当なものであるのなら、従業員側が記者会見して世間にその実態を知らせることも必要なのではないかと考える。
そのときにマスコミは協力すべきであることは言うまでもない。

【ロイヤルリムジン社の金子社長に贈る言葉】

『名君は独断する』

中国の正式な歴史書『史記』の言葉である。
意味は、優れた君主はたった一人で決断をする、ということだ。

人の上に立つ者の責任は下の者の幸福を守ることである。
難しい状況でさまざまなことが考えられるときに英断することはトップの役割であり責任なのだ。
そのためであれば反対を押し切っても決断し、実行することが求められるときがあるのだ。

はたしてロイヤルリムジン社の金子社長の判断はいかに?
はたして金子社長は本当に従業員のことを思っている名経営者なのか?
それとも無責任で自分勝手な経営者なのか?
アチキは見ている!

もし、ロイヤルリムジン社の乗務員などが今回の会社側の処置が間違っている、大いに不満だというなら、ご意見番までコメントください!

【ご意見番がロイヤルリムジン社にもの申す!】

「動機、動機、そして結果が重要だ! 従業員を守ることが社長としての責任だということを肝に命じよ!」

お読みいただき、うれしうござんす!


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