【自民党憲法改正草案編⑨】
緊急事態条項(国会維持機能条項)の追加は独裁政権の誕生を意味する!(前半)
これまでの記事
【自民党憲法改正草案編①】~自民党憲法改正草案は国民家畜化の暗黒な未来に向かうもの!~
【自民党憲法改正草案編②】~憲法とは何か?~
【自民党憲法改正草案編③】~憲法を守らない権力者とは独裁者~
【自民党憲法改正草案編④】~自民党憲法改正草案の“真の狙い(目的)”は主権者を「国民」から「政権」に変更する革命に他ならない!~
【自民党憲法改正草案編⑤】~自民党憲法改正草案は自由と人権の破壊に他ならない!~
【自民党憲法改正草案編⑥】~「前文」「天皇」「国民の権利と義務」について~
【自民党憲法改正草案編⑦】~「改正草案第12条」「家族・新しい権利」について~
【自民党憲法改正草案編⑧】~「公務員の選定」「環境保全の責務」「財産権」「国会」「内閣」「地方自治」について~
緊急事態条項(国会維持機能条項)の追加は独裁政権の誕生を意味する!(前半)
《緊急事態条項とは何か?》
書籍『「憲法改正」の真実』より引用
樋口陽一氏発言
緊急事態条項を憲法に書き込むのは、世間で言われるようなソフトな「お試し改憲」ではないのです。この条項が憲法に加えられると、相当、厄介なことになる。国家が国民の権利を取りあげ、協力という義務を課すようになる。
書籍『「憲法改正」の真実』より引用
小林節氏発言
緊急事態条項とはなにか。ごくごく簡単に言えば、これは大災害、内乱やテロ、戦争という緊急事態に日本が直面したときに、平時とは異なる権力の行使を認めるという条項です。
〈緊急事態条項の“狙い”とは?〉
緊急事態条項(国会機能維持条項)とは、「大災害、内乱やテロ、戦争という緊急事態に日本が直面したときに、平時とは異なる権力の行使を認めるという憲法秩序(条項)」なのです。この夏、各地でさまざまな災害が発生していますが、私には偶然の自然災害とは思えません。私の個人的見解では、この災害の原因は2つのうちどちらかであると考えています。
一つは、気象兵器による国民に対する攻撃であり、その目的は国民に災害の怖さを植え付け、緊急事態条項条項(国会機能維持条項)を憲法に明記することを暗に認めさせる土台とすること。
もう一つは、創造主または日本神道の神々による「天意」の現れ。
天意とは、神々を恐れず、悪政をしく為政者たちに「警告」を与えているということ。
ただ、災害の発生は日本だけではないので、日本神道の神々によるものではなく、創造主による現代文明の消滅の予兆ということ。
どちらかであるかは、現時点では最終判断はついていない。
だが、陰謀研究をした人なら知っていることがある。それは人口削減計画を実施するために「気象兵器」と「致死性ウイルス」がすでに用意されているということ。
信じるか信じないかはあなたにお任せします。
国民にとって重要な論点は、自民党の憲法改正の本丸が「緊急事態条項(国会機能維持条項)」にあること。
この条項を憲法に明記されると、「国家が国民の権利を取りあげ、“協力”という義務を課すようになる」ということです。つまり、主権者の立場が入れ替わり、国民はただただ隷従するしかない存在に貶められ、強大となった国家権力に抵抗することが出来ない状態となるということです。
国家権力が国民に「協力せよ」「協力を求める」とされると、それは「国民に課せられた義務」と同じ意味となり、国民の側に拒否する権利がなくなることになります。戦争に行け(徴兵制など)、ワクチン接種をしろ、などの望まないことを義務として国民を隷従させる権限を持つことになるということです。
要するに「選択の自由」が奪われるということです。選択の自由は、各人の個性の発揮である思考の自由から出てくるものなので、結局のところ精神的自由が奪われることと同じです。
新設される緊急事態条項(国会機能維持条項)の草案条文を以下に記す。
書籍『「憲法改正」の真実』より引用
〈自民党「日本国憲法改正草案」〉
(緊急事態の宣言)
第九十八条
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったときは、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移による当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み変えるものとする。
(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合は、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他の機関の指示にしたがわなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大級に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
自民党憲法改正草案の要である「緊急事態条項(国会機能維持条項)」を憲法に明記してしまうと何が起こるのか?
1.緊急事態の宣言が発せられると、内閣が“法律と同一の効力を有する政令”を制定することができ、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
つまり、行政機関であるはずの内閣が立法権を持ってしまう。さらに地方自治体を内閣の支配下に置くことが出来るため、実質的に日本国を内閣が支配することが出来る状態となる。この状態は三権分立という近代国家の原則を無視した「独裁政権の誕生」を意味する。
2.緊急事態の宣言が発せされると、「何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他の機関の指示にしたがわなければならない」とあるように、内閣が制定する政令に強制的に従わなければならなくなる。その際に使用される詐術的語彙は「協力」であろうと推測される。この場合の協力とは義務を言い換えたものであり、国民の側に選択権はない。どんな事態が発生するかと言えば、例えばウイルスの蔓延による感染症等が発生した場合、ワクチン接種を強制されることとなる。その理由は、当然「(他の)国民の生命を守るため」と言ってくる。例えば、他国との戦争が勃発した場合、徴兵制が復活、国民総動員法などによって国民の命や財産が失われる恐れが高くなる。
当然ながら政府への批判は取り締まりの対象となり、へたをすると「内乱罪」によって処罰される恐れが高くなる。
「第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大級に尊重されなければならない」とあるのだから、人権を奪われることはないと考えることは罠にはまることと同義であると言っておく。なぜならば、この緊急事態条項(国会機能維持条項)だけではなく、自民党憲法改正草案の全体を考慮しなくては、自民党の真の意図は見えてこないから。
14条は「法の下の平等に関する条文」、18条は「奴隷的拘束や意に反する苦役を禁止する条文」、19条は「思想及び良心の自由を禁止する条文」、21条は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由の保障及び検閲と通信の秘密を禁止する条文」。
3 「緊急事態宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されない」ということは、選挙がなくなるということであり、民主主義制度の完全否定である。仮に緊急事態が発生したとして、その対策に対して国民が不満であり、国民が納得しない対策をする国会議員たちの首を斬ることができなくなる。選挙とは民主主義制度を支える根幹であるため、選挙がなくなるということは、国民が国家権力者に対して意思表示をすることが出来ないことを意味する。
〔まとめ〕
緊急事態宣言が発された場合、内閣が“法律と同一の効力を有する政令”を制定することができ、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができ、宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないという事態となることが意味することとは、「事態宣言に係る事態の措置に関して発せられる国その他の機関の指示にしたがわなければならなくなる」ということであるから、選挙がなくなり、内閣が立法府となり、地方自治体を配下に置き、国民を政令によってコントロールすることが出来ることになる。
この状態を、通常「独裁」と言う。
要するに、緊急事態条項(国会機能維持条項)を国家の最高法規である憲法に明記するということが意味することとは、憲法の上位に内閣が位置することであり、別な言い方をすれば憲法が内閣に最高権力を与えてしまうことを意味する。
最大の問題は、この宣言が必要かどうかを判断するのは国会議員であり、国民の意思は完全に介在しないことであり、必要性があるかないかという基準が明確に定義されていないことであり、宣言の終了を決める判断権そのものが国家権力側にあることである。
つまり、内閣、広く言えば与党による恣意的な国家権力の運用ができてしまうこととなり、そこに民主主義の根幹である「国民主権」はどこを探しても存在しない。
ここに緊急事態条項(国会機能維持条項)の正体がある。この条項の正体とは「国民主権」の剥奪にこそある。
戦前の保守層の子孫や思想的系譜に位置する自民党は、GHQが作成した日本国憲法に憎しみを抱いている。なぜならば、自分たちの先祖または先駆者を排除し、権力を奪ったからだ。それを取り戻そうとする動きこそが「緊急事態条項(国会機能維持条項)」に他ならない。
つまり、GHQが国民に与えた自由と人権、そして国民主権を奪って、戦前のような強権を持つ国家権力を誕生させようとしているということ。
すべては「国民の生命と財産を守るため」という偽の大義を掲げるため、国家権力がなすことに国民の側が拒否することが不可能となるように設計されている。
現に、自民党の議員たちは裏金を作り、外国初の宗教(?)である統一教会の支配を受け、憲法違反を数多く行っている。そんな無法者の政治家(政治屋)たちが、正しく法の秩序を形成し、正しく運用し、正しく国民を護ると考えることなど、妄想を通り越した狂気でしかない。
緊急事態条項は一時的な条文である、と主張する者がいると思われるが、その緊急事態時に発せられる政令において民主主義制度、国民主権が完全に破壊される仕組みを作らないと誰が保障できようか。その部分は「秘」とされている部分で、そこにこそ自民党などの勢力の真なる意図(悪意)があると見るべきだ。
《緊急事態条項の意味とは?》
書籍『「憲法改正」の真実』より引用
樋口陽一氏発言
国家緊急権というのは、権力の暴走を防ぐために手足を憲法で縛っているところを、緊急のときだけ解いてしまおうとするものです。
〈自民党議員の本音とは?〉
憲法の存在意義は、「権力の暴走を防ぐこと」にある。これは国民主権を大前提としている。国民に主権があるということは、国家の主(あるじ)は国民であり、国会議員などの権力者側とは国民に奉仕する(仕える)存在であることを意味する。
これが自民党などの政治家たちは、“気に食わない”のです。
ある議員は「国民に主権があるなどおかしい」などと発言している。
自民党などの国会議員たちの本音は、議員である自分たちこそが国家の主(あるじ)であり、その権力に従うだけの存在が国民であり、国家権力者の手に国民をどうするかの権限があると思っているのです。
ですが、GHQが与えた日本国憲法では「主権は国民にあり」と明記されている。
彼らは、権力を持っている自分たちが、権力を持たない国民に従わなければならないということが納得できないのです。
傲慢であり、憲法を理解しない無法者であり、民主主義国家に叛逆する者たち、と呼ぶべきなのです。
つまり、日本国憲法に定められた国民と国会議員の関係性を逆転させようとする公的な武器こそが緊急事態条項(国会機能維持条項)なのです。
〈自然災害への対応は現行の各種法律で可能である〉
重要な指摘をするならば、自然災害による緊急事態に関することは、現在各種の法律によって対応可能です。もし万が一、緊急事態に関する法が「法」が必要であれば、「法律」や「条例」レベルで制定するべきであり、国家の最高法規である「憲法」に明記するものではないのです。
自然災害に対処する法律は、「災害対策基本法」があり、テロなどの国内で発生する暴力等については「警察法第6章 緊急事態の特別措置(71条~75条)」があり、外国からの攻撃については、「武力攻撃事態国民保護法」がすでに存在しています。
すでに法的準備はできているにもかかわらず、なぜ緊急事態条項(国会機能維持条項)なるものを国家の最高法規である憲法に明記しなければならないのか。その必要性はありません。ということは別に目的があるということになります。
〈緊急事態条項を憲法に明記する本当の理由とは?〉
そもそも「外部からの武力攻撃」、「内乱やテロ」などの人為的な事態と「地震等による大規模な災害」である自然的発生の事態を一緒に考えるべきではないのです。これらは区別して考えるべきなのです。
後者には憲法の明記はまったく必要ありません。しかし、仮に必要があるとするならば前者(戦争)なのです。
つまり、本来分けて考えるべき人為的戦争等と自然現象である地震災害等を混ぜることで、国民の判断を狂わせて納得させようとしているのです。
緊急事態条項(国会機能維持条項)が真に必要とする事態とは、「戦争」に他なりません。
戦争時は国家に権力を集中させる必要があります。そうでなければ他国との軍事行動ができなくなります。一々国民の自由、人権を擁護していたならば国家防衛は出来なくなります。だから国家機能に権力を集中させる必要が出てくるのです。
ただし、その戦争が自衛のための戦争かどうかは分かりません。日米同盟の名において、あるいはNATO軍と共に軍事行動を取ることが集団的自衛権の行使だなどと訳の分からないことを言いだすかもしれません。
要するに、緊急事態条項(国会機能維持条項)とは、戦争準備のための条文であるということです。
書籍『「憲法改正」の真実』より引用
樋口陽一氏発言
緊急事態条項を置いた理由について「東日本大震災における政府の対応の反省も踏まえて、緊急事態に対処するための仕組みを、憲法上明確に規定しました」と理由を述べ、しかし、その後で「緊急政令は、現行法にも、災害対策基本法と国民保護法(中略)に例があります。したがって、必ずしも憲法上の根拠が必要ではありませんが、根拠があることが望ましいと考えたところです」と書いている。
つまり、緊急事態条項新設の理由として災害対応を掲げつつ、震災などの緊急の際の対応は既存の法律にすでに存在している、という矛盾を正直に言っている。だったら憲法化する必要がないでしょう。と突っ込んで上げたいのに、自ら「必要ないことも分かっています」と告白し、それでも「根拠があることが望ましい」となぜか論理を飛躍させる。
上記の内容は、自民党の改正理由に対して樋口陽一氏が反論しているものです。
全国民は知るべきです。
自民党自身が「緊急事態条項を憲法に明記することの必要性は無い」と認めていることを。
「必要性は無いが、緊急事態の対応として根拠があったほうが“望ましい”」と言っているのです。「望ましいから」というレベルで条文化することが許されるならば、いったい憲法の条文はどれだけの数となるのでしょうか。
つまり、明確な憲法化の必要性がないに等しいにもかかわらず、憲法に明記したいということです。憲法という国家の最高法規に「必要性がないけどあったほうがいい(望ましい)」というレベルでは、憲法化(明記)するという許可は国民から降りません。
これは「本当の理由」が隠されていると読み解くことができます。
肝心なことは、緊急事態への対応に関する条項の憲法明記の本当の理由は口が裂けても言えないということです。
上記の自民党の回答の中に欠けているものがありますが、おわかりですか?
それは政府の緊急事態対応に対する「国民の考え」であり、必要性の無い緊急事態条項の憲法明記に対する「国民の意思」です。民主主義国家であるならば、それが最も重要で、最も根源的なことです。
要するに、国民の側が「必要性がなくてもあった方が望ましい」と考えて政府に求めるのと、政府側が国民の意思を無視して「必要性がなくてもあった方が望ましい」と考えて憲法改正を進めることは、まるで意味が違うのです。その違いは民主主義国家と全体主義国家の違いといっていいでしょう。
いまから指摘することを国民は頭の中に刻んでください。
自民党自身が告白している「必要性がないにもかかわらず、あった方が望ましい」として憲法改正を行おうとしていることは、すでに自民党という政治勢力は「全体主義思想」の集団であるということを意味しているのです。
自民党が緊急事態条項(国会機能維持条項)を憲法に明記したい本当の理由は、日本国を全体主義国家とする為であり、それが具現化するのが「戦争」なのです。
国家が戦争をするときは、権力分立、人権保障を否定する(奪う)必要があるのです。権力が分散され(三権分立)、国民の自由と人権が保障されたままでは戦争に突入できないのです。
ですから、自民党などによる緊急事態条項(国会機能維持条項)の憲法明記(改正)の真の狙いは「戦争ができる国家体制」にあると見るべきです。
《緊急事態宣言は、内閣に権力を集中させる》
書籍『「憲法改正」の真実』より引用
小林節氏発言
自民党の改正草案の緊急事態条項では、緊急事態であると認定するのが内閣そのものでしょう。そして、認定してしまえば、内閣(つまり首相)は法律と同等の効力を有する政令を制定できる。つまり、内閣が「はい、これから緊急事態!」と決めてしまえば、それだけで、立法権は内閣のものになる。さらに、首相は財政上必要な支出を自由に行うことができるようになり、国会が排他的に握っている予算承認・拒否権という「国の財布のひも」も首相が預かることになる。さらに、首相は地方自治体に対して、あたかも部下に対するように指示を発する権限も有することになる。
〈緊急事態条項の要点〉
緊急事態条項(国会機能維持条項)の何が問題かと言えば、「緊急事態」の定義が存在せず、緊急事態と内閣が勝手に判断できる点が大きな間違いである。
たとえ、ほとんどの国民が「いまは、どう考えても緊急事態ではないでしょう」と考えたとしても、内閣(総理)が「緊急事態」と言い出せば、緊急事態条項の内容が発動するということは、身勝手な判断、間違った判断がまかり通ってしまうということを意味するのです。
「緊急事態の定義」なくして、緊急事態の認定は不可能です。しかし、そもそも緊急事態を定義することじたいが至難の業なのです。だからこそ法律によって具体的な緊急事態への対応で備えているのです。
要点をまとめると、
※「緊急事態」に認定が内閣の身勝手、見当違いで行われる危険性がある。
※一度、緊急事態宣言が出されると内閣(首相)に立法権が与えられる(法律と同等の効力を有する政令を制定できるようになる)ことになり事実上三権分立を無効にする。
※内閣(首相)が財政上の支出の権限を持ち、自由に使うことが可能となる。
※内閣(首相)は、地方自治体を支配下に置き指示する権限を有することになる。
※緊急事態と認定されている間(緊急事態宣言中)は衆議院選挙の任期が延長される。理論的には延長を重ねれば「永遠の緊急事態」を作ることも可能となる。
※緊急事態下で国民に対して「協力」という名の義務が課せられてしまい、拒否することができなくなる。
※国民が従わねばならないのは「国」だけに限られているわけではなく、「その他の機関」という現時点で不明な機関に対しても従わねばならない。
※緊急事態条項(国会機能維持条項)は、内閣が緊急事態であると認定した瞬間に、三権分立、地方自治体、人権保障を停止することになり、事実上、内閣独裁政権が誕生する。
※一旦、内閣独裁政権が誕生したならば、国民に抵抗する術は存在せず、元の憲法に戻すことや内閣独裁政権を排除することが不可能となる(危険性がある)。
常識的または良識的に考えるならば、緊急事態条項(国会機能維持条項)とは、独裁政権を誕生させるための装置というしかない。
なぜならば、本来の憲法の意義である国家権力から国民の自由や人権を守るという方向性を反転させ、国家権力が国民に対して「憲法尊重義務」を課すことになるからに他ならない。
これは「主権」の逆転現象であり、事実上の民主主義国家(国民主権)の強奪と言うしかない。国家の主を入れ換えるものであり、国民を監視下に置き、支配するための法的な武器としているのだ。
〈本来あるべき緊急事態条項の姿とは?〉
書籍『「憲法改正」の真実』より引用
樋口陽一氏発言
「現代のまっとうな立憲主義国家では、緊急事態に対応する法制を運用しようとするときには、裁判所による監視と抑制の仕組みが必ず採り入れられている」「国民の権利への特別の制約が必要にして最小限度のものにとどまっているか否かを判定するためには、緊急事態が発生したか、それにどの程度の緊急性があるのかについても、裁判所が独自に認定し判断する権限がなければならない」
(「日本国憲法に緊急事態条項は不要である」「世界」2016年1月号)
知ってください。日本以外の国において、緊急事態条項のような法を制定する際には、必ず国民の自由と人権を最優先とする前提の上に成り立っていることを。
通常というか正しい緊急事態条項の運用は自民党の憲法改正草案とは“違い”、独裁的権力を牽制し、期限を設け、国民の権利を守ることを最上位としているのです。
決して、独裁的権力の出現が発生しないように制限がかかっているのです。しかし、自民党の憲法改正草案は世界中の民主主義国家にあるような「制限」がないのです。
各国は、緊急事態を宣言し、対処する強権を監視するための役割(裁判所)を持たせることで、独裁権力が発生しないように牽制しているのです。
しかし、自民党の憲法改正草案では牽制する内容が存在しない。それどころか、「私たちが改正した憲法を守れ(擁護義務)」と言っているのですから、憲法改正前からその正体を見せているのと同じです。
自民党の緊急事態条項(国会機能維持条項)とは、主権の入れ替えであり、独裁的権力を誕生させる悪法(悪事)というしかありません。
つまり、いままで国民が享受してきた自由で安全で人権が保障された生活(人生)を送ることが出来なくなるということです。
あなたはこれを許せますか?
【自民党憲法改正草案編⑩】につづく
参考書籍
書籍名:『「憲法改正」の真実』
著者名:樋口陽一、小林節
出版社:集英社新書
書籍名:『【決定版】白熱抗議!憲法改正』
著者名:小林節
出版社:ワニ文庫
書籍名:『赤ペンチェック 自民党憲法改正草案』
著者名: 伊藤真
出版社: 大月書店
書籍名:『高市早苗という病』
著者名: 適菜収
出版社: ベスト新書
最後までお読みいただき、ありがとうござりんした!